危ない「命令口調」「小さな過干渉」の蓄積...魔の2歳児イヤイヤ期を「やる気」に転換する方法
お手伝いで自主的な「やる気」を高める
子どもの「イヤイヤ」を減らし「やる気」を伸ばす最高の方法が「お手伝い」です。2歳〜3歳の子どもにもどんどんお手伝いを頼みましょう。そして手伝ってくれたら「手伝ってくれてありがとう。助かったわ」と感謝を伝えます。これで子どもは、「自分の働きは必要だ」「自分は役に立つ人間だ」という自信とやる気を大きくすることができます。
子どもにお手伝いを頼む時は「命令口調」で動かそうとしてはいけません。ささない用事でも「頼むこと」を忘れないでください。「◯◯ちゃん、お箸をテーブルに持っていってくれると助かるわ、お願いできる?」というように丁寧に頼めば、子どもは必ず応えてくれます。
そして子どもが手伝ってくれたら、「◯◯ちゃんが手伝ってくれて本当に助かったわ。ありがとう」と、抱きしめて感謝の言葉を伝えてください。子育て上手な親は、子どもに頻繁にお手伝いを頼み、成功体験のインプットを積み上げています。人から感謝される歓びと快感をたくさん経験して育った子どもは、前向きで積極的、そして開放的な人柄に成長していきます。
お手伝いの目的は、子どもに「成功体験」を積ませることです。くれぐれも難し過ぎるお手伝いや、失敗を招くお手伝いは頼まないでください。小さい子どもは手先の力が弱く、上手にできないことも多いですから、お片付けやお掃除など、簡単なものを選びましょう。
子どもに頼んだ洗濯物のたたみ方が下手でも「手伝ってくれて助かったわ、ありがとう」と抱きしめて感謝を伝えてください。その場で親がたたみ直したり、「もう少し丁寧にやってね」などとは言わないでください。うまくできない時は、他の洗濯物を使って「こういうふうにやるといいよ」とたたみ方を教えてあげればいいのです。
上の子に子育てを手伝ってもらう
下の子が生まれたら上の子を頼りにしましょう。親のアシスタントとして育児の雑用を頼むのです。一昔前は上の子が下の子の面倒を見るのは当たり前でした。子どもの数が多く人手が足りなかったからです。でも少子化が進んだことによって、子どもの面倒は全て親が見ることが常識になってしまいました。
上の子がまだ幼くて危なっかしい場合は、親と一緒に赤ちゃんの世話を手伝ってもらいましょう。オムツやお尻ふきを持ってきてもらったり、ミルクを飲ませる手伝いをしてもらったり、沐浴を手伝ってもらったり、赤ちゃんをあやしてもらうなど、上の子を頼りにしましょう。最初は嫌がるかもしれませんが、「お願い。助けてもらえる?」と頼めば、必ず引き受けてくれます。
手元がおぼつかない子どもに手伝わせるよりも、親がやってしまった方が早いことは分かります。でもあえて上の子に協力を頼んでください。下の子が生まれると、上の子は必ず寂しい思いをします。上の子の自己肯定感を下げないためにも、親と共同で下の子の世話をすることが大切です。
そして手伝ってくれたら「ありがとう、◯◯ちゃんが手伝ってくれて本当に助かったわ」と抱き締めて、感謝を伝えます。これで「自分は必要な存在だ!」と子どもは実感でき「やる気」が回復するのです。
上の子に下の子の面倒を頼むと「仲の良いきょうだい」に成長します。下の子の面倒を見ることで、上の子は下の子をごく自然に可愛がるようになります。また下の子は上の子に面倒みてもらって成長しますから、上の子をごく自然に尊敬するようになるのです。