バミューダ・トライアングルの「怪事件」は今も続いていた...最新科学で遭難の謎に迫る
Bermuda Triangle Mysteries
ハリケーン被害を受けたバミューダの島(2003年9月) Jean-Pierre Rouja-Reuters
<伝説化したバミューダ・トライアングルの怪事件を、改めて追いかけたヒストリー・チャンネルの番組が発見したもの>
バミューダ・トライアングルの伝説は数十年前から流布している。とはいえ近年、この海域をめぐる迷信は消滅状態だ。つまり、謎は解明されたのか。それとも、奇異な現象は今も起きているのか。
■【動画】テレビ番組の撮影中に「魔の三角地帯」の海底で発見された意外すぎる「残骸」とは?
「魔の三角地帯」とも呼ばれる同海域は北大西洋の西部に位置する。一帯で発生した複数の奇妙な事件を、あるアメリカ人著述家が紹介したのは1964年のこと。ただし、謎めいた出来事の話は19世紀半ばから出ていた。
「バミューダ・トライアングル伝説が本格的に始まったのは、ビンセント・ガディスが64年に執筆した記事で、この海域での怪事件のパターンを概説したのがきっかけだ。なかでも大きく取り上げられたのが、フライト19遭難事件だった」。歴史家のデービッド・オキーフは、本誌にそう語る。
米歴史番組専門局ヒストリーチャンネルは11月22日、バミューダ・トライアングルに関する新たなドキュメンタリーシリーズ(全6回)の放送を開始。番組のため、同海域で遭難した第2次大戦時代の航空機を捜索した専門家チームに、オキーフは参加した。
米海軍の雷撃機5機の編隊「フライト19」は45年12月、バミューダ・トライアングル上空を訓練飛行中に姿を消した。残骸は見つからず、消息を絶った理由は今も不明だ。
「(言語学者で超常現象研究家の)チャールズ・バーリッツらがバミューダ海域での船舶や航空機の遭難事件を、不思議な現象に遭遇した人々の報告と併せてセンセーショナルに紹介し、既に触れられていたパンドラの箱が開いた」と、オキーフは言う。
「沈没や航空機遭難は続いている」
各種の仮説や推測が持ち上がったものの、やがて下火になった。しかし、不可解な事件はなくなっていない。「データが示す限り、沈没や航空機遭難は続いている」と、オキーフは話す。
「海域についての理解が深まった今、かつて付き物だったセンセーショナリズムは、少なくとも現時点では沈静化したようだ。いずれにしても、バミューダ・トライアングルは世界有数の謎であり、世代を問わず大勢の人の想像力を刺激し続けている」
バミューダ諸島、プエルトリコ、フロリダ半島先端部を結ぶ三角形の海域であるバミューダ・トライアングルには、ある仮説によれば、複数の方角から暴風雨が吹き込む。それによって引き起こされる可能性のある荒波は、一説では最高30メートル超に達するという。
この三角地帯ではこれまでに、船舶50隻以上と航空機20機以上が遭難したとされる。