新卒で墓地勤務「Z世代の墓守」は給料も職場環境もノーストレス
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<中国では一般的に、墓地は不吉な場所と考えられているが、ネットユーザーからは批判よりも共感が多かった。「平和」な就職先は墓地かもしれない>
中国社会では近年、長時間労働や非現実的な期待に対する抗議として、若者が必要最低限のことだけをやって乗り切ろうというメンタリティーを受け入れ、「平臥位」(Tangping)という社会運動が起こっている。
ストレスを抱えながら窮屈な環境で働くよりも、より良いワークライフバランスを実現したい......そう考える日本人も少なくない。新卒では大手入社を目指し、企業に入りサラリーマン生活を経て、田舎に移住したり早期退職を考えるのが主流だろう。
そんな中で中国の新卒者はファーストキャリアで墓地での仕事を選んだ。中国のZ世代の嗜好を、「サボる」文化の象徴だとする批判的な意見も見られるが、果たしてそうだろうか。
労働環境は最高かもしれない...
中国版TikTok(ティックトック)の抖音(Douyin)に公開されたタンと名乗る22歳の女性が話題だ。彼女は自身の仕事の様子し、そのあまりに「平和」な職場についてSNS上で注目を集めた。
理由はタンさんの職場にある。中国西部重慶市の山間に位置する墓地で働いているのだ。
「『Z世代の墓守』の労働環境をお見せしましょう。単純で楽な仕事です。猫も犬もいるし、インターネットもある」と、タンさん。住まいは敷地内の寮で同僚と共同生活を送っている。
タンさんはこの仕事を、「早期退職のようなもの」と表現する。今の彼女の生活には、十分な余暇があり、美しい景色に囲まれ、煩わしい社内政治のない環境が整っている。もちろん長時間労働もないそうだ。
月給は約4,000元(約7万8,000円)。週6日勤務。毎朝8時30分から17時まで働く。休憩は毎日2時間取れるという。
政府のデータによると、昨年の重慶市の平均年収は33,800元(約65万7,000円)で、月給は2,800元(約5万4,000円)だった。