コラムニストのボビー・ゴーシュは、MSNBCに出演した際、こうした動画はイランの政治指導者に対する不満が高まっていることを示していると述べた。イランに対しては、その抑圧的な法律と人権侵害、特に女性やLGBTQコミュニティの迫害の疑いで、以前から監視の目が向けられている。

「驚いたことに、イラン人がアメリカの勝利を祝っているというイラン発の報道を目にしている」と、彼は言う。「自分が生きている間にこんな光景を見るとは、万に一つも思っていなかった。これは、イラン国民が現政権を嫌っていることを物語っている。そして、その政権を代表するサッカー代表も憎んでいる」。

イランチームの敗北を祝うこの反応は、イランの指導者に対する不満の高まりを示す最新の兆候だ。デモ参加者のうち少なくとも21人が死刑になりかねないこともあり、怒りはイラン体制を代表するチームにも向けられた。

イラン代表も勇気を見せた。イングランドと戦った最初の試合の前に国歌斉唱を拒み、沈黙を貫いたのだ。全世界に中継されるのも覚悟の上の勇気ある行動で、帰国後は刑務所行きか死刑、とも噂されている。

イラン代表の2022年ワールドカップ出場の意義は、自国の政治的分断で台無しになっている。観覧席に、イラン政府に抗議するための物品を持ち込み、大会関係者に取り上げられたサッカーファンもいた。

大会の序盤には、イラン人ファンの一部が自国の国歌にブーイングを浴びせた。また、イングランドがイランを破った試合の後では、「独裁者に死を」と叫ぶテヘランの人々の動画が拡散され、敗北を祝福する声があがった。

イランにおける女性の権利擁護活動を監視する団体「ヒューマンライツ・アクティビスト・イン・イラン」は、デモを取り締まる治安部隊が少なくとも419人のデモ参加者を殺害したと報告している。