「冬将軍はウクライナに味方する」──専門家
Russian Army Faces 3 Unique Challenges Fighting in Freezing Winter: U.K.
「そもそもこの戦争が勃発したのはまだ寒さが続く2月24日だ。それに第2次大戦ではソ連軍は冬の間も日常的に攻勢に打って出ていた」と、本誌宛のメールでカンチアンは指摘した。「寒い時期には戦闘が集落の周辺に集中する傾向がある。そのほうが兵士たちが暖をとりやすいからだ。また短い日照時間に戦闘が集中することにもなる。今は暗視ゴーグルがあるから、夜間の作戦行動も可能だが、両軍とも兵士の訓練レベルはさほど高くない。夜間の作戦遂行には高度なスキルが求められる」
リポートによれば、暗視装置は「貴重な装備品」であり、両軍とも夜間の攻撃を仕掛けることには及び腰だという。
負傷兵救出の時間が限られる
12月以降の数カ月、ウクライナでは平均気温が0度近くか氷点下まで下がる日々が続く。戦闘での負傷に加え、凍傷、低体温症なども兵士たちを苦しめるだろう。
「しかも、重傷を負った兵士を救出できる時間帯がざっと半分に減り、救出中に敵に遭遇する危険性も高まる」と、リポートは述べている。
兵器の故障
気温低下で兵器の不具合も増える。
部隊が戦闘を終えて拠点に戻ると、兵器は比較的暖かいシェルターに収められる。急激な温度の変化で、機械の内部に結露が生じ、兵器が再び野外に持ち出されたときに、それが凍結して、動かなくなることがあると、米軍の情報サイト、ミリタリー・ドットコムと米陸軍の報道資料は述べている。
こうした冬特有の問題は両軍を悩ませるが、うまく対処すれば戦況を有利に持ち込める可能性もある。