長生きするには「冬の暖房費ケチる」はNG 脳科学者が指摘する「脳をボケさせない部屋」とは?
睡眠中に脳はすごい働きをしているという話を聞いたことがありませんか? これも同じことです。睡眠不足は脳にとっても大敵ですし、若い頃にテストの一夜漬けをしても全く身についていなかったというのも、同じ原理です。
いくら忙しくても、リラックスする時間、休む時間を設けることは脳に必要なことなのです。その時間をつくることで、認知機能が上がります。
ただ、ここはバランスが必要です。ずっとリラックスしたまま、休息したままだとインプットされるものがないので、デフォルトモードネットワークは起きません。認知機能も上がりません。
ですから、毎日やることをちゃんとつくり、その間にリラックス時間をつくる。そのバランスが大切なのです。
趣味が多い人は認知症になりにくい
65歳以上の人の約3割は「趣味の数がゼロ」だそうです。仕事や子育てに奔走していた頃はなかなか趣味の時間をとるのが難しかったという人もいると思いますが、65歳以上になったら趣味を持つことをおすすめします。
趣味は人生を楽しむ要素というだけでなく、「認知症の予防効果」もあるからです。
実は、趣味の数が多い人ほど認知症を発症しにくいというデータがあるのです。男性の場合は、趣味が5つ以上ある人は認知症発症が一番少なく、女性の場合は趣味が4つの人が一番発症が少なくなっています。
趣味が多いと認知症になりにくい理由は、楽しいことに打ち込んでいると「打ち消し」効果でストレスが解消されるからです。ストレスは認知症やうつのリスクを高めることがわかっていますが、趣味に打ち込む人はストレスを感じにくいため、脳が老化しにくいのです。
ある調査によると、生きがいを感じるトップ3は、「趣味に熱中しているとき」「子どもや家族、友人と接しているとき」「美味しいものを食べているとき」だそうです。趣味に打ち込んでいる時間に生きがいを感じる人は世界的にも多く、そのことが脳の認知機能にいい影響を及ぼしています。
また、趣味はひとつよりも2つ3つと数が多い人のほうが認知症の発症が少ないのは、「快感を感じる回数が多いほどストレスが解消される」「社会との接点を趣味でつくっている」「新しいことに挑戦している」などの理由があると考えられます。
周りを見回してみてください。趣味が多い人って、いきいきしている印象がないですか? 一方で、無趣味の人はどうでしょうか。スーパーエイジャーも趣味が多い人ばかりです。
「長生きしたけりゃ、趣味をたくさん持つ」
これも、脳を元気に保つ秘訣(ひけつ)です。
60歳からは犬を飼ったほうがいい
話し相手がいないのは、60歳を超えたらリスクになります。なぜなら、孤独感は認知症の発症に大きく関わっていて、脳の老化を進行させるからです。
と言っても、一人暮らしをしていたり、夫婦関係が冷え切ってしまっていると、なかなか日常の中で人とのつながりを感じるのは難しいかもしれません。そんなときは、ロボットに話しかけるだけでもOKです。