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「こんなに変わる!」歩数だけでなく歩行のペースで、早期死亡リスク、がん、認知症の発症リスクが大きく変化

2022年9月16日(金)15時11分
松岡由希子

2000歩増やすごとに、早期死亡のリスクが8~11%低下した。さらに...... Rossella De Berti- iStock

<40~79歳の英国人7万8500人を平均7年にわたって追跡し、1日の歩数と全死因死亡率、がんおよび心血管疾患の罹患リスクの関係性について調べた......>

健康維持・増進のためには、歩行を中心とした身体活動を日常的に増やすことが肝要であり、その目安として「1日1万歩」が理想とされてきた。そしてこのほど、歩数だけでなく歩行のペースも重要であることが明らかとなった。

豪シドニー大学、デンマークの南デンマーク大学(SDU)らの研究チームは、40~79歳の英国人7万8500人を平均7年にわたって追跡し、1日の歩数と全死因死亡率、がんおよび心血管疾患の罹患リスクの関係性について調べた。

早期死亡、がん、認知症の発症リスクも大きく変化

2022年9月12日に医学雑誌「JAMAインターナル・メディシン」で掲載された研究論文によると、1日の歩数を最大1万歩まで2000歩増やすごとに、早期死亡のリスクが8~11%低下した。がんおよび心血管疾患の罹患リスクでも同様の関係性が認められる。また、ケイダンス(1分あたり歩数)が高いと、これらのリスクがさらに低下することもわかった。

研究チームは40~79歳の英国人7万8430人を平均6.9年追跡し、1日の歩数と認知症との関係性についても調べた。

2022年9月6日に医学雑誌「JAMAニューロロジー」で発表した研究論文によると、1日の歩数が多いほど認知症の発症リスクが低下した。最適な1日の歩数は9826歩で、認知症の発症リスクを50%低下させるが、1日の歩数が3826歩でもそのリスクを25%低下させるという。また、ケイダンスが高いと、早期死亡のリスクやがんおよび心血管疾患の罹患リスクと同様に、認知症の発症リスクもさらに低下する。

これらはいずれも観察研究であり、直接的な因果関係を裏付けるものではないが、これほど大規模な集団レベルで強く一貫した連関が認められたことは注目すべき点だ。

歩行ペースはほとんど考慮されていなかった

研究論文の責任著者でシドニー大学のエマニュエル・スタマタキス教授は「フィットネストラッカーやアプリの普及により、歩数は活動レベルを追跡するうえで一般の人にもわかりやすく、広く用いられているが、歩行ペースはほとんど考慮されていない」と指摘したうえで、「これらの研究成果から得られた知見は、歩行をベースとする身体活動のガイドラインの策定や慢性疾患の予防に向けた公衆衛生プログラムの開発に役立つだろう」と述べている。


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