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エリザベス女王死去「ユニコーン作戦」エリザベス女王の葬儀は死去前から段取りが決まっていた
AFTER THE QUEEN
25歳で女王となって以降、近代の世界の君主としては最長の70年にわたり英国民に仕えた(1953年6月の戴冠式) HULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES
<葬儀はどうなる? チャールズの戴冠式はいつ? エリザベス2世去りし後のこれからを徹底予測:その1>
イギリスの君主といえば世界中の誰もが、パステル調のスーツに身を包み、飼い犬のコーギーたちを愛した、あの小柄な女性を思い浮かべてきた。
でも、彼女はもういない。エリザベス女王の死去はイギリスと王室にどのような変化を引き起こすのか。死去の意味とこれから起こることを、Q&A形式でまとめた。
■エリザベス女王は長いこと君主の座にあったが、素晴らしい君主だったのか。
エリザベス女王はイギリスの君主としてだけでなく、近代の世界の君主で最長の在位70年を誇った。
1952年、父である国王ジョージ6世の死去に伴い、25歳で即位。当時の英首相はウィンストン・チャーチルで、米大統領はハリー・トルーマンだった。女王の在位中に英首相は15人、米大統領は14人が務めたが、彼女は慎重に政治的中立の立場を取り続けた。
女王の在位中、脱植民地化の流れによってイギリスの領土は大幅に縮小し、王室はさまざまなスキャンダルに見舞われた。それでも女王はとても素晴らしい君主とみられ、王室支持派だけでなく反王室派の一部からも敬愛された。
■チャールズは女王の死後、すぐに国王になったのか。
女王の死去を知らせる王室の声明は「国王」の名の下に発表された。だが厳密に言えば、即位が正式に宣言されていたわけではない。宣言が行われるのは「王位継承評議会」。これは議会の要職を務める議員を中心とした枢密院の儀礼的な会議だ。
■女王の葬儀はどうなる?
女王死去の翌日、イギリス政府は服喪期間に入ると発表。女王の棺(ひつぎ)は死去した英スコットランドのバルモラル城から、エディンバラにあるホリールードハウス宮殿に向かう。そこから同じくエディンバラのセントジャイルズ大聖堂まで葬列が行われ、王室向けの礼拝が行われるとみられる。同大聖堂は24時間、一般公開される。
その後、棺はロンドンに運ばれ、バッキンガム宮殿からウェストミンスター・ホールまで葬列が行われる。それから数日間、棺は安置され、1日23時間にわたって一般公開される予定だ。その後、ウェストミンスター寺院で国葬が行われ、葬列はハイドパークからウィンザー市内を通過し、棺はウィンザー城のセントジョージ礼拝堂にある王室の埋葬室に納められる。
■そんなに細かいところまで決まっていたのか。
女王の死去に伴う計画は、かなり前から決まっていた。細部が異なる計画がいくつか準備され、それぞれ別のコードネームが付けられていた。女王はバルモラル城で亡くなったため、スコットランドの国獣にちなんで名付けられた「ユニコーン作戦」が発動された。
■チャールズの戴冠式はどうなる?
正式な戴冠式は数カ月先とみられる。分かっているのは、おそらくウェストミンスター寺院でカンタベリー大主教が執り行う宗教的儀式になるだろうということだ。このときにチャールズは即位の誓いを立てる。
※女王死去の影響:ヘンリーは離脱を後悔? ウィリアムと父チャールズとの関係が変わる? に続く。
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