最新記事

英王室

エリザベス女王の死の間際、なぜか彼女のもとへすぐ向かわなかったヘンリーの謎

Prince Harry Mystery Over Why He Was Not With Queen in Her Final Moments

2022年9月9日(金)19時21分
ジャック・ロイストン
エリザベスとヘンリー

エリザベス女王とヘンリー王子(2019年5月) Steve Parsons/Pool via REUTERS

<女王の体調不良が伝えられた際、ヘンリー王子もウィリアム王子らとともにバルモラル城に向かうかと思われたが、なぜか別行動を選択した>

9月8日、英女王エリザベス2世が死去した。この日の朝に女王の健康状態に「懸念がある」と発表されると、チャールズ皇太子やウィリアムらは急遽、スコットランドのバルモラル城に向かったが、ヘンリー王子はなぜか他のロイヤルファミリーメンバーと同行せず、バルモラル城に到着したのは女王の死がバッキンガム宮殿によって発表された約1時間後のことだった。

■【動画】他のメンバーに遅れてバルモラル城に到着したヘンリー王子

ヘンリー王子は、妻のメーガン・マークルをロンドンに残し、単身でスコットランドに向かった。一方で兄のウィリアム王子はその時には、アンドルー王子(女王の次男)やエドワード王子(女王の三男)夫妻などの王族とともに、ロンドンの西端にあるノーソルト空軍基地から、すでに飛び立っていた。

エリザベス女王の死は、英国時間午後6時30分にメディアで公式発表されたが、その後しばらくして、暗闇の中、車で到着したヘンリー王子の姿が写真に収められている。

ヘンリー王子は当初、ウィリアム王子やアンドルー王子、エドワード王子夫妻などの王族とともに、アバディーン空港行きの飛行機に搭乗すると思われていた。さらに公式発表前の混乱した時間帯にはメーガンも同行すると思われていたが、その後、ヘンリー王子が独りで行くということが明らかになった。メーガンも後日、スコットランドに向かう予定だという。

なおウィリアム王子の妻であるケイト・ミドルトンも、自宅にとどまっていた。夫妻の3人の子供たちは、新しい学校「ランブルック・スクール」で、登校初日を迎えたところだった。

バッキンガム宮殿の声明には、次のように書かれている。「女王は本日午後、バルモラル城で安らかに息を引き取った」「国王と王妃は今晩、バルモラル城に滞在し、明日ロンドンに戻る予定だ」

ヘンリー王子は王室に対して批判的な発言をしてきたことで知られるが、一方でこうした批判には女王が含まれないことを常々明言しており、女王とは常に良好な関係にあったと強調している。2022年4月には、NBCに対して、「女王に会うことができて本当に良かった。彼女はとても元気だ。いつもユーモアたっぷりに応対してくれる」と語った。

さらに、「私たちは本当に特別な関係だ。女王と私は、ほかの人とはできないような会話をしている。だから、いつも良い思い出になる」と続けた。

女王は人々から「愛され、称賛された」

新しい国王となったチャールズ3世は、声明の中で次のように述べている。「最愛の母である女王陛下が亡くなったことは、私と私の家族全員にとって最も大きな悲しみだ」「私たちは、大切な女王、そして最愛の母の死を深く悲しんでいる。この喪失は、英国と英連邦王国、そして世界中の数え切れないほどの人々の心に深く刻まれるだろうことを私は知っている」

「喪に服し、変化を迎えるこの時期、私たち家族は、女王がこれほど広く尊敬され、深く愛されていたという事実に慰められ、支えられることになるだろう」

6日に女王から任命を受けたばかりのリズ・トラス新首相は、女王の死は「この国と世界にとって、大きな衝撃だ」と発言した。トラスはさらにエリザベス女王について、死を迎えるまで「威厳と気品」をもって女王の務めを果たし、人々から「愛され、称賛された」と述べた。
(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ

ワールド

全米で反トランプ氏デモ、「王はいらない」 数百万人

ビジネス

アングル:中国の飲食店がシンガポールに殺到、海外展

ワールド

焦点:なぜ欧州は年金制度の「ブラックホール」と向き
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みんなそうじゃないの?」 投稿した写真が話題に
  • 4
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 5
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中