最新記事

ロシア

いったい何が? ロシアの政府寄りTV司会者が、傷だらけで番組に出演の「怪」

Putin Ally Appears on Russian State TV Covered in Mysterious Bruises

2022年9月10日(土)17時37分
ハレダ・ラーマン
プーチン大統領演説

モスクワで演説するプーチン(2016年12月) Maxim Shemetov-Reuters

<政府のプロパガンダを拡散し「プーチンの声」とまで呼ばれる司会者ソロビヨフは、なぜ傷を負ったのかを頑なに話そうとしなかった>

ロシア政府が流す「プロパガンダ」の拡散役を担っていることで知られるテレビ司会者のウラジーミル・ソロビヨフが最近、傷だらけの顔でロシア国営テレビに出演した。見るからに「何か」あったのは明らかだが、ソロビヨフ自身がその原因について語るのを拒否していることもあって、注目は高まるばかりだ。

■【写真】なぜこんな傷だらけに? 謎の傷を負ったソロビヨフの姿

ウクライナのニュースサイト「ザ・ニュー・ボイス・オブ・ウクライナ」のニカ・メルコゼロバのツイートによれば、ソロビヨフは顔に傷を負った経緯について説明を拒んだという。ソロビヨフはロシア政府寄りのテレビ司会者で、その立場と影響力から「プーチンの声」とも呼ばれている。

メルコゼロバが投稿したスクリーンショットを見ると、ソロビヨフの額と鼻、両頬には、赤みを帯びた傷跡がみられる。「彼は悲しそうな様子で、どこで傷を負ったのか説明を拒んだ。仲間の扇動家たちに向かって、『お前らには関係ない!』と言った」とメルコゼロバは書いている。

これを受けてツイッターユーザーの間では、ソロビヨフが傷を負った経緯について、さまざまな仮説が飛び交っている。

あるユーザーは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「ソロビヨフは(プロパガンダ拡散について)努力が足りないと不満を持ったのだろう」のだと書き込んだ。また最近、ロシアで著名な企業経営者などの「謎の転落死」が相次いでいることを思い浮かべた人も多かったようだ。ある人物は「1階の窓から転落したに違いない」とコメントした。

扇動家に労働の安全衛生などない?

脚本家でジャーナリストのナターリア・アントーノワは、次のように投稿した。「素晴らしい推察をしている人が大勢いるから、私の退屈な仮説はさらっと書いておこう。コカイン密売人との価格交渉が激しい段階に突入したのでは?」

ジャーナリストのクイントン・ムティヤラは、「プーチンのプロパガンダを担う人々に、労働の安全衛生などというものはないのだろう。出勤の際には、文字どおりパンチをかわして来なければならないのだ」

ソロビヨフは最近のテレビ出演の中で、ソビエト時代の強制労働収容所がナチス・ドイツの強制収容所と比べて、いかに恵まれた環境だったのかについて長々と自説を披露していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中