【動画】「まるで地獄から来たトラック」 中国「犬肉祭」に出荷された犬たちを救出
Hundreds of Dogs Set for Slaughter at Yulin Festival Saved From Truck
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<多くの犬が「夏の風物詩」として食用に消費される中国の「犬肉祭」。ここに出荷中だった約400頭の犬が救出されたが、その環境の劣悪さは目を覆うばかりだった>
広西チワン族自治区玉林市では、夏至にあたる6月21日に、年一度の「犬肉祭」が開かれる。毎年、大勢の人がこの街に集まり、屋台やレストランで犬肉の煮込み、揚げ物といった料理を食べる。
この「祭り」は、果物のライチと犬肉を食べて夏バテを防ぐという趣旨で、10日間で何千頭もの犬が屠殺されることで知られる。そんな悪名高い「玉林(ユーリン)ライチと犬肉祭」だが、その直前に中国の警察と動物愛護活動家が、屠殺される運命にあった約400匹の犬を現地に向かうトラックから救い出す出来事があった。
動物愛護団体ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)によれば、玉林市から数百キロ離れた陝西省で6月19日、祭りのために運ばれていた386頭の犬たちが、警察と活動家によって保護されたという。
警察と活動家が高速道路でトラックを停車させたところ、うだるような暑さの中、数百頭の犬たちが、小さな金網の檻(おり)に詰め込まれているのが見つかった。その様子は動画に収められている。
「まるで地獄から来たトラック」
現場にいた活動家の一人リン・シオンは、HSIにこう語っている。「あれほど多くの犬たちが、最悪な状況に置かれているのを見てゾッとした。かわいそうな犬たちは、まるで地獄から来たトラックに乗せられているようだった。何日もトラックに乗せられていたようだ。脱水症状や飢えに苦しんでおり、ケガや病気の明らかな兆候が見られる犬も多かった」
リンはさらに続ける。「檻から顔をのぞかせる犬たちの、恐怖で固まったような表情を見たとき、この犬たちは玉林の食肉処理場に向かっていて、そこで撲殺されるのだと私たちは悟った」
トラックに乗せられていた犬たちの多くは、目や皮膚の感染症にかかっており、体調が悪いように見えた。トラックが停車させられた後、犬たちは、警察の検疫施設に運ばれた。犬たちはそこで治療を受けてから、活動家に引き渡され、保護施設に移される予定だ。
中国の食肉取引から救い出された犬の世話を支援するHSIの中国政策専門家ピーター・リーは、声明の中でこう述べている。「中国では、ほとんどの人が犬を食べない。それにもかかわらず、南部にはいまだに、玉林のような犬食のホットスポットが存在し、何百万頭もの犬がひどい苦しみを味わい続けている」