人民日報がウクライナ危機に乗じた反米キャンペーンを開始
At Home, 'Neutral' China Pushes Vladimir Putin's Agenda on Ukraine War
それでも、アメリカをはじめ主要国がプーチンを世界の舞台から孤立させようとする中で、中国はロシアを外交的・政治的に援護していると西側諸国は見ている。その証拠に、中国はロシアを非難しない。しかも、国内向けには反米反西欧の強いメッセージを発している事実もある。
ロシアのNATOに対する不満を繰り返し説明た29日付の人民日報の論説は、まさに習とプーチンの絆をさらに象徴するものだった。こうした中露首脳の接近を、米政府は不安視している。
この論説は、21世紀の国際関係に対する中国の見方をも如実に表している。中国政府指導者の目から見ると、力の劣る国々は常にアメリカの指導者の言いなりだ。ウクライナのような中小国、ひいては冷戦後にNATO加盟を選んだ国々には、自国の外交・安全保障政策を決定する能力はほとんどない、というのだ。
人民日報の社説は、バイデンが好んで使う「民主主義対独裁主義」「善対悪」という概念にも矛先を向け、「ブロック対立」や「イデオロギー対立の誘発」によって中国の発展を抑制しようとしている、と暗にバイデンを非難した。
中国の対米代理戦争
中国とロシアとの連携は、2月のウクライナ侵攻のずっと前から始まっていたと考える人も多い。なかには両国が団結するのは必然と見る人さえいる。2月4日の中露首脳会談後に発表された5000語にも及ぶ共同声明で、中国はロシアがNATOに対して抱く安全保障上の懸念を正式に支持し、ロシアはアジア全体を包含するインド太平洋地域へのアメリカの関与に対する中国の不満に同調していたからだ。
ウクライナ紛争をめぐる中国の姿勢は、ロシアを全面的に支持するだけでなく、ドナルド・トランプ前大統領の政権下で本格化したアメリカとの対立における中国の姿勢を鮮明に表している。
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つまり中国のロシア支援はアメリカに対する代理戦争のようなものだと観測筋は見ている。中国が、衰退に向かう末期的な超大国とみなすアメリカに対する戦争だ。
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