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ロシア街角にリボン出現...規制下の反戦デモ、創意で当局かわす

2022年3月28日(月)12時10分
青葉やまと

青+黄色=緑

運動のシンボルとして緑色が選ばれた理由には諸説あるが、どうやらウクライナ国旗に由来するようだ。あるユーザーが前掲のTikTokの動画に「緑のリボンの意味は?」とコメントすると、別のユーザーが「青と黄色=緑」と短く返信した。ウクライナ国旗の青と黄色を混色すると緑色になる。

当然、2片のリボンを重ねれば、青と黄色をそのまま表現することも可能だ。しかし、現状のロシアでは言論への監視が徹底されている。シンボルカラーを選ぶにあたり、混色によりあえて婉曲的に表現したとも捉えられそうだ。

ほか、ウクライナのゼレンスキー大統領が愛用するカラーを取り入れたとの解釈もある。2019年の大統領選でゼレンスキー氏は、陣営のシンボルカラーとして緑を採用していた。

「新しいロシア国旗」も出現

緑のリボン以外では、ロシア国旗にひねりを加えることで反戦のシンボルとする動きも出ている。31歳のロシア人であるカイ・カトニナ氏は、「反戦の立場を貫くロシア人」を象徴する新たなロシア国旗を考案した。

ベルリンでUXデザイナーとして働くカトニナ氏は、ロシア人すべてが侵攻を支持しているものと誤解されることを恐れていた。しかし、ロシア国外に住む氏がデモに参加したとしても、勇気を振り絞って声を上げたロシア人だとは思われることはなく、ベルリンの人々からはウクライナ人だと勘違いされることが多かったという。

氏はラトビアを拠点とするロシア語のニュースメディア『メデューサ』に対し、「私たちがただの群衆ではなく、戦争に反対するロシア人なのだと示す何かが明らかに必要でした」と振り返っている。

そこで反戦のシンボルとして、自らの立場を表現する図案を作ることを思いつく。

既存のロシア国旗には勇気と愛を示すといわれる赤色の帯が使われているが、血を想起させるとしてこの部分を取り除き、新たなデザインとした。

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