我慢の限界!外出禁止中の中国・西安当局を動かした、市民「激怒の行動」
China Residents Rebel Against COVID Lockdown, Take to the Streets in Video
不穏な様子が見られるようになったのは、今週に入って西安市内の一部の住宅地でロックダウンが解除され始めたときだった。1月18日と19日の両日に新規感染者が出なかったのを受け、一部の公共交通機関や企業などが再開された。新規感染者ゼロは昨年以来、初めてだった。
ソーシャルメディアの投稿によると、フアチェンの住民は、地区に課されている措置のレベルを、ロックダウンからコントロールに引き下げ、ある程度の行動の自由を許してほしいと訴えた。不動産管理会社が配布したとされる通知を撮影した画像には、地元当局がその訴えを聞き入れ、水曜日に変更が発表されると書かれている。
ところが、木曜日に配られた別の通知には、訴えは拒否されたと書かれていた。1月に入ってから陽性者が出た隔離施設に滞在歴のある住民が帰宅するというのがその理由だ。通知には、フアチェンの住民は土曜日に改めて、措置レベルの引き下げを申し立てることができると書かれていた。これに住民が激怒した。
住民は「権利を守った」と勝利宣言
再び公開されたウェイボの動画を見ると、多数の人が不動産管理会社の事務所に押し寄せ、ロックダウンを終了するよう求める様子が映っている。社員が警察に通報すると、住民は大声をあげた。到着した警察が、住民ともみあいになったようだ。
すると数時間後に国営メディアは、フアチェンのマンション群の複数エリアについて、措置をロックダウンからコントロールに引き下げると報じた。住民たちは、「権利を守る」ために自分たちが抗議をしなければ、措置が変更されることはなかったと述べ、勝利を宣言した。
中国では、2度のワクチン接種を完了した割合が人口の90%近くに上っている。しかし、中国はゼロコロナを掲げる数少ない国のひとつであり、その方針をいまだに変えていない。中国のゼロ・トレランス(不寛容)の姿勢は、今年いっぱい続く見込みだ。
2月には北京で冬季オリンピックが開催されるほか、春と夏にもさまざまなスポーツ大会が予定されている。また秋には、第20回中国共産党全国代表大会が開かれ、習近平が国家総書記として史上初となる3期目を確実にすると見られている。
公衆衛生措置は、住民にとっては過酷だが、効果はきわめて高い。西安市では12月9日以降の新規陽性者数が2000人を超えているが、市内でのクラスターは沈静化したようだ。
1月20日に中国の国家衛生健康委員会が行った発表によれば、1月19日に報告された有症の国内感染者は全体で43人だった。そのうちの10数件は、北京から南東部に130kmほど離れた海沿いの天津市で確認されている。北京では公衆衛生当局がオミクロン株のクラスターを追跡中で、1月20日には5人の感染が新たに判明した。
(翻訳:ガリレオ)