議会選挙を拘置所で迎えた香港民主派 活動封じられても不屈の意思
香港政府の鄭若驊(テレサ・チェン)司法長官は16日、今回の立法会選挙候補者は以前の選挙よりも年齢、職業、経歴の面で多様化していると述べた。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はこれまで、立法会選挙は「参加者のバランスが高まり、ずっと(民意を)代表する」ようになっており、「香港を統治すべき愛国者」が選出されると主張している。
拘置所の生活
現在拘置所にいる33人の民主派は、来年3月まで法廷に姿を見せることもなければ、具体的にいつ審理が開始されるかまだ発表もない。
香港で男性の未決囚が入る最大規模のスタンリー拘置所には、予備選挙にかかわった戴耀廷(ベニー・タイ)氏(57)と梁国雄(レオン・クオクホン)氏(65)が収監されている。黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(25)がいるのは別の拘置所だ。
ある人は独房に監禁され、別の人は集団の留置スペースにいる。女性では、予備選に参加した元議員の毛孟静(クラウディア・モー)氏(64)と袁嘉蔚(ティファニー・ユン)氏(28)がニューテリトリー(新界)の拘置所にいる。事情に詳しい2人の関係者によると、ユン氏は当局から留置場所で不穏な行動をしたとみなされ、9月に独房に入ったという。
拘置所内の民主派は、睡眠、運動、食事、勉強を毎日決まった時間に行う。夜明け直後に起床の号令があり、1時間は運動とシャワーが許される。男性の場合、監視付きでランニングやサッカー、バスケットボールなどができる。これら未決囚は1日2人まで食物の差し入れのための面会が認められている。関係者の話では、支給された2本のペンで書き物をする、あるいは1カ月で6冊まで許可される書籍を読むといった過ごし方をする人もいる。
抵抗拠点
英政府は14日公表した香港情勢に関する半期報告書で、民主派拘束の詳しい経緯に触れつつ、行政権に対するチェック・アンド・バランスの機能を弱めるために、異なる意見を自由に表明する場が抑え込まれ続けていると警鐘を鳴らした。その上で、3月の香港選挙制度変更は中国本土や香港政府と足並みをそろえない勢力を、ほぼ完全に立法府から排除する狙いがあると指摘した。
拘束された民主派のうち14人は保釈されている。彼らの数人は、法的リスクがあると承知しながらも、19日の選挙で香港市民は棄権するか白票を投じるべきだとロイターに語った。香港当局はここ数週間で、白票の投票を扇動したとして10人を逮捕している。
別の民主派は白票と棄権について「今われわれにできることは乏しいが、これが抵抗拠点の1つになる。外国に亡命していても、拘置所にいても、あるいは香港社会にとどまっていても、外部環境によって心を蝕まれてはならない」と強調した。
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