Airbnbがアフガン難民7600人に宿泊先を提供
Airbnb Has Helped 7,600 Afghan Refugees Resettle in U.S., Pledges to Help 12,500 More
Airbnbの慈善プログラムは被災者や難民など緊急に住まいを必要とする人々に避難場所を提供している(写真はイメージです) Westersoe-iStock
<国を追われてアメリカにたどりついたアフガニスタン難民に住まいを提供する民泊大手のAirbnbの取り組みが成果をあげている>
民宿仲介サイトAirbnb(エアビーアンドビー)は、その慈善プログラムの一環として7600人を超えるアフガニスタン難民にアメリカでの宿泊先を提供し、さらに数千人分の住まいの提供を約束している。
1年前、Airbnbは困っている人々に一時的な宿泊所を提供する非営利の慈善団体Airbnb.orgを立ち上げた。最初は緊急時の救急救援者に仮住まいを提供していたが、その後イスラム主義勢力タリバンに支配された国から脱出して、滞在先を探すアフガニスタン難民にも支援対象を拡大した。
何万人もの住宅所有者がこのプログラムに参加することに同意し、難民の宿泊所として自宅の一部を提供した。ここ数カ月、このプログラムのもとで7600人のアフガニスタン難民が全米各地の家庭で暮らすようになった。そして同社はさらに1万2500人分の滞在先を提供すると言明している。
Airbnb.orgは今年、非営利団体として正式に設立され、Airbnbの創業者は同社の株式40万株を運営費として寄付した。
「Airbnbは驚くべき人数に対する支援を約束した。アフガニスタン人2万人分の住まいを提供すると誓ったのだ。これは前代未聞だ」と、アメリカを拠点とする難民支援団体「国際救済委員会(IRC)」のグローバル企業パートナーシップ担当シニアディレクター、ローレン・グレイは指摘する。「Airbnbが進み出て、とても早い段階でこの取り組みについてはっきりと、目に見える形で参加したことは、大きな助けになった」
発端は台風被災者支援
Airbnbの共同創業者でAirbnb.org の会長を務めるジョー・ゲビアは、Airbnbは人々が休暇やビジネスのために滞在する場所を提供することに成功しているが、「わが社は危機に直面した人々が、最も避難する場所が必要なときに住宅を提供する点でも、驚異的な成功を収めている」と語った。
設立1年目のAirbnb.org は新型コロナウイルスとの戦いの最前線で戦う10万人以上の医療従事者や救護関係者に宿泊先を提供。家族に感染を広げずにすむようにした。
グローバル難民スポンサーシップ・イニシアティブ(GRSI)の会長であり、Airbnb.orgの取締役会の一員で、オタワ大学難民ハブの創設者であるジェニファー・ボンドは、Airbnbは「『ホスティング』についての新しい考え方を世界に知らしめ」、そのノウハウを Airbnb.org に適用したと語った。
Airbnbが慈善活動を開始したのは2012年で、ブルックリンのあるホスト(家主)がハリケーン・サンディの被害をうけた人々に一時的な宿泊所を提供してはどうかと提案したことがきっかけだった。活動は何年も続き、2017年にハリケーン・ハーベイの被災者を支援し、その後範囲を拡大した。
ベトナム戦争後にアメリカにやってきたベトナムからの難民を、地域のコミュニティが受け入れるために手助けをしていた難民支援団体は今、再定住のためのスポンサープログラムの改善を図っているが、Airbnb.orgはそうした団体にも支援を行っている。