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習近平「歴史決議」の神髄「これまで解決できなかった難題」とは?

2021年11月13日(土)13時48分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

今年「歴史決議」が出されたのは当然のことで、建党100周年記念の年に、中国共産党の歴史的総括をしなかったら、むしろ不思議でさえある。よくぞここまで中国共産党による一党支配体制を維持できたという感慨が中共中央にはあるだろう。

もう一つ特徴的なのは、六中全会が始まる前の中国における溢れ出る情報や、今般発表された公報にも書いてある「長きにわたって解決したいと思ってきたが解決できなかった難題を解決したこと」という文言だ。

「長きにわたって解決できなかった難題」とは何か?

至るところに書いてある、この「長きにわたって解決したいと思ってきたが解決できなかった難題」とは何を指しているのだろうか?

どこにも具体的な内容が書いてない。そのうち公表されるだろう「歴史決議全文」を見れば書いてあるかもしれないが(あるいは書かないかもしれないが)、今この段階で推測が付く「長きにわたって解決したいと思ってきたが解決できなかった難題」がある。

それは反腐敗運動だ。

この謎を解くカギは、同じ中国語の表現が、2017年10月25日に開催された第19回党大会一中全会における習近平の講和の中に出てくることにある。

中国語の簡体字なので、このページに文字表記すると文字化けしてしまうので、当該部分を以下の図表で示したい。但し12月31日に雑誌『求是』に掲載された文章を中国政府の通信社「新華社」の電子版「新華網」が公開したものである。

図表1:第19回党大会一中全会(2017年10月25日)における習近平の講話の当該部分

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出典:新華網の「第19回党大会一中全会における習近平の講話」

図表1の黄色で示したのと、ほぼ同じ表現が今般の六中全会公報の中に出てくる。その当該部分を図表2で示す。

図表2:2021年11月11日に公表された六中全会公報の当該部分

endo20101113111702.jpg
出典:第19回党大会六中全会公報

両者とも黄色部分を見て頂くと、同じ中国語が並んでいることが分かる。

図表2の方は黄色が2カ所途切れているが、それは2017年の文章にはなかった言葉なので、黄色のハイライトを付けていない。

今年の六中全会で新たに加わった言葉は「風険」(リスク)と「取得歴史性成就」である。前者の「風険」は「アメリカとの覇権競争」を表し、後者の「取得歴史性成就」は「建党100年の歴史的成果を得たこと」を表しているとみなすべきだろう。

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