最新記事

ペット

ネコはいつでも飼い主を思っていた...常に居場所を頭の中で追跡との調査結果が

Your Cat Knows Where You Are Even When They Can't See You

2021年11月12日(金)18時21分
ハンナ・オズボーン
飼い主を探すネコ

よそよそしいようで実は飼い主思い? Jarek Fethke-iStock

<飼い主が見えない場所にいるときでも、ネコは『ここにいるだろう』と思い描いているらしいことが分かってきた>

ネコは、飼い主が見えないところにいるときでも、その居場所を「頭の中で思い描いている」ことが、研究で明らかになった。ネコは、飼い主の声を頼りに心的イメージをつくりあげながら、その動きを追いかけているのだという。

京都大学で心理学専修博士課程を修了した、麻布大学特別研究員の高木佐保を中心とする研究チームは、飼い主と見知らぬ他人の声を使って、ネコに関する一連の実験を行った。

米国獣医師会(AVMA)によると、2017~18年にアメリカで飼われていたネコは5838万5725匹。4世帯に1世帯が、少なくとも1匹のネコを飼っていた。

ネコは一般的に、犬よりも飼い主に対する態度がよそよそしいと考えられている。2013年の研究では、ネコは飼い主の声を認識しているものの、無視を決め込んでいることがわかった。

査読付き学術誌「PLOS ONE」で2021年11月10日に発表された今回の研究では、高木を筆頭とする研究チームが3度の実験を行い、ネコが環境的な手がかり(この場合は飼い主の声)をもとに、飼い主の居場所を自発的に追いかけているかどうかを検証した。

1度目の実験では、飼い主がネコの名前を呼ぶ声を録音した音声を5回、ネコに聞かせた。そして、5回目のあとに、設置されたスピーカー2台のうちの1台で、見知らぬ他人が名前を呼ぶ音声か、飼い主が名前を呼ぶ音声のいずれかを再生した。1台のスピーカーは室外に、もう1台のスピーカーは室内に設置されていた。録音された声は、さまざまな組み合わせで再生されたという。

思わぬ場所からの声に驚くネコ

ネコが飛び抜けて驚いた様子を見せたのは、室内に設置されたスピーカーから、飼い主がネコの名前を呼ぶ音声が流されたときだった。ほかの2度の実験では、別のネコたちの鳴き声と、声以外の音声が流された。刺激に対する驚きについては、相関関係はみられなかった。

研究チームはこの結果について、部屋にいないと思っていた飼い主の声が室内で聞こえたことにネコは驚いたのではないかと述べている。

「実験結果は、ネコが予想していなかった別の場所に、飼い主が『瞬間移動』したように思えたことで驚いたことを示している。一方、非社会的な刺激を用いた実験では、ネコはそうした反応を見せなかった」と論文には書かれている。

「こうした結果は、ネコが飼い主の声をもとに、目に見えないところにいる飼い主の心的イメージをつくりあげ、その居場所を思い描いていることを示唆している。これは、ネコが社会空間認識能力を有している証拠だ」

研究チームは、ネコが驚いた理由が、飼い主が予想外の場所に現れたからなのか、あるいは飼い主がいるだろうと「思い描いていた」場所にいなかったからなのかは不明だとし、さらなる研究が必要だと述べている。
(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

李大統領、13日に日韓首脳会談 対中関係とのバラン

ビジネス

金が初の4600ドル超え、FRB議長捜査やイラン情

ワールド

韓国、ドローン問題巡る調査開始 北朝鮮が領空侵犯と

ワールド

米政権、ミネソタ州に捜査官「数百人」追加派遣 女性
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 10
    筋力はなぜパワーを必要としないのか?...動きを変え…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中