最新記事

アメリカ政治

もう出た!「オミクロン株は民主党のでっち上げ」米FOXニュース

Fox Hosts Suggest COVID Variants Are Being Made up by Democrats

2021年11月29日(月)19時11分
ハレダ・ラーマン

「中間選挙変異株が来た!」と、テキサス州選出のロニー・ジャクソン下院議員(共和党)はツイッターで述べた。「民主党には、全米で郵便投票を推進する口実が必要なんだ。民主党は選挙で不正ができるなら何でもやるだろう。だがそうはさせない!」

郵便投票は民主党支持者が多いマイノリティーが多く利用するため、共和党は前の大統領選でも猛反対した。

一方、メディア大手NBCユニバーサルの元重役マイク・シングトンは「民主党が新しいコロナ変異株をねつ造しているという根拠のない陰謀論」をFOXがでっち上げたと指摘。「もちろん、いかなる証拠も示していない」

また、俳優のジョージ・タケイはデマに惑わされないようツイッターで呼びかけた。

「もし新しいオミクロン株を怖いと思うなら、すぐに追加接種を受けて、屋内で他の人々が一緒にいる時はマスクをつけよう」とタケイは述べた。「もしオミクロンは民主党のデマだと思うなら、FOXニュースとOANN(ワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク、親トランプの右派ケーブル局)のテレビを消せ、という以外に言いようがない」

コロナ禍を長引かせるのが右派の利益に?

政治評論家のブライアン・テイラー・コーエンもこう述べている。「バイデンを攻撃し、『いつも都合よく変異株が出てくる』と言っている人々と、ワクチン懐疑論を唱えている人々が同じであることに気づくべきだ。そもそもこうした変異株が出てくるきっかけを作っているのはワクチン懐疑論だ。連中の目的は、このパンデミックを長引かせ、民主党に対する武器として使うことだ」

オミクロン株は最近、イギリスやドイツ、イタリア、ベルギー、イスラエル、香港など世界各地で確認されている。

米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、オミクロン株がすでにアメリカに入っていても驚かないとした上で、「まだ(アメリカでは)確認されていないが、これほどの感染力を示すウイルスであれば、最終的に全世界に広がることはほぼ避けられない」と述べた。

本誌はホワイトハウスとFOXにコメントを求めたが回答は得られていない。

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

オランダ企業年金が確定拠出型へ移行、長期債市場に重

ワールド

シリア前政権犠牲者の集団墓地、ロイター報道後に暫定

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ麻薬積載拠点を攻撃と表明 初

ワールド

韓国電池材料L&F、テスラとの契約額大幅引き下げ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中