<COP26>石油メジャーに脱石油させるには?──米議員の戦い
Big Oil to Testify on Climate Change Disinformation—What This Could Mean for Green Economy
それを狙いとしているのが、下院ではカンナが、上院ではチャック・シューマー院内総務らが提出した「エンドレス・フロンティア法案」だ。この法案が成立すれば、国立科学財団(NSF)に技術・イノベーション部局を創設し、特定の地域において経済を促進させるための「地域のテクノロジー・ハブ」を指定できるようになるはずだ。
現時点では、この法案は下院の消費者保護・商業に関する小委員会に送られており、そこでの審議後、採決にかけられることになっている。28日の公聴会は、米国と石油業界との関係における新たな章を開く可能性が高いが、エンドレス・フロンティア法案のような経済政策をいま定着させる必要があるとカンナは強調している。クリーンエネルギーに関して米国をひとつにまとめようとするなら、誰もが「勝利」を手にしなければならないからだ。
石油の代わりのテクノロジー・ハブを
「そうした(石油業界との結びつきの強い)州に対して、勝利を手にしようという動機を与えなければならない。われわれに必要なのは、合衆国憲法修正第13条を可決したときのリンカーンのような瞬間だ。リンカーンはその際、州や議員が求めているものを見極め、それを与えた」とカンナは述べた。「(クリーンエネルギーの)勝利を得るためには、われわれも同じように、そうした州や各議員に与えられるものは何かについて見極めなければならない」
シェルの広報担当者は、公聴会前に本誌に宛てた声明のなかでこう述べている。「当社は、ごく限られた時間のなかで、数千ページに及ぶ書類を委員会に提出した。それらは、気候変動に関する過去数十年間にわたる当社の立場、パリ協定に対する当社の強い支持、低炭素の未来への移行に関する業界リーダーとしての当社の取り組みを直接的に物語るものだ」
同じくエクソンモービルの広報担当者は、こう語った。「当社は以前から、気候変動は現実のものであり、深刻なリスクをもたらしていると認識してきた。次世代の技術に大規模な投資をしていることに加えて、気候問題に関する責任ある政策も支持している。気候変動をめぐる当社の公式声明は、これまでも、現在も、事実にもとづく誠実で透明なものであり、その時点で主流である広範な科学界の見解に沿っている。当社は数十年にわたって気候科学の発展に貢献し、その成果を公表してきた。そして、気候変動をめぐる科学界の理解が進むのに沿いながら、適切に対応している」
(翻訳:ガリレオ)
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