株式インデックス投資、何が良いか──先進国株、新興国株、米国株と日本株、どれを選ぶ?

2021年10月11日(月)19時30分
熊紫云(ニッセイ基礎研究所)

本稿では、通常ファイナンスで使われる統計学の専門用語をなるべく使わずに株式インデックス投資について説明してみたい。株式投資と言えば一般的にまだまだ怖いというイメージを持つ人もいるが、実は株式インデックスに長期投資をすれば、ある程度リスクを低減できる。ただ、日本で投資できる1,000種以上3のインデックス投信商品から、どれを選んだらいいのか戸惑ってしまう方もいるだろう。そこで、本稿では主要な株式インデックスについて紹介し、過去のデータに基づいて、どの株式インデックスを選択すべきだったかについて説明することで、今後の資産形成の際に参考になるような情報を提供してみたい。

2――株式インデックスについて知るべきこと

1|国内外における代表的な株式インデックスの紹介

ニュース、インターネットなどを通じて情報を簡単に入手でき、値動きが把握しやすい観点から、本稿では図表1に挙げた株式インデックスを分析の対象とする。

代表的な日本株式インデックスにはTOPIXと日経平均株価がある。TOPIXは時価総額が東京証券取引所上場企業全体の96.3%4を占めており、日本経済の動向を示す指標でもある。日経平均株価は1950年9月7日から算出され、長い歴史と高い指標性を持っており、一般に広く知られている。

代表的な米国株式インデックスにはS&P500、ダウ平均株価とナスダック100がある。S&P500の時価総額は米国株式市場全体の約80%を占めており、米国の株式市場動向を広く反映している。ダウ平均株価は米国を代表する企業の株価動向を示しており、ニュース等でよく報道される。ナスダック100はITやバイオテクノロジーなど最新技術を持つ企業と米国に上場している海外企業が含まれている。

────────────────
3 投資信託協会ウェブサイトより、公募株式投信のインデックスファンド数が1,079(2021年8月末時点)。

4 日本取引所グループウェブサイトより、東京証券取引所上場企業全体の時価総額は東証一部、東証二部、マザーズとジャスダックの時価総額(浮動株ベース、円単位)で計算した(2021年9月末時点)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU加盟国、トランプ次期米政権が新関税発動なら協調

ビジネス

経済対策、事業規模39兆円程度 補正予算の一般会計

ワールド

メキシコ大統領、強制送還移民受け入れの用意 トラン

ビジネス

Temuの中国PDD、第3四半期は売上高と利益が予
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中