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歴史ヴィンランド・サガ? ヴァイキングがコロンブスより約500年早くアメリカ大陸に到達していた
カナダ北東部ニューファンドランド島の遺跡「ランス・オ・メドー」 Dylan Kereluk from White Rock, Canada-wikipedia
<カナダ北東部ニューファンドランド島の遺跡を分析し、西暦1021年にヴァイキングがアメリカ大陸に入植していたことがわかった>
1492年に西インド諸島のサン・サルバドル島へ到達したイタリア出身のクリストファー・コロンブスは、アメリカ大陸を発見したヨーロッパ人として広く知られている。コロンブスによるアメリカ大陸の発見から数百年前、すでにアメリカ大陸へ達していたのが北ゲルマン人のヴァイキングだ。
ヴァイキングは西へと移動して、アイスランドやグリーンランドに移住し、カナダ北東部ニューファンドランド島の遺跡「ランス・オ・メドー」にもその痕跡が残されている。
西暦1021年にヨーロッパ人がアメリカ大陸に入植していた
蘭フローニンゲン大学とカナダ国立公園管理局の共同研究チームは、「ランス・オ・メドー」から出土した木片を分析し、ちょうど1000年前にあたる西暦1021年にヨーロッパ人がアメリカ大陸に入植していたことを示す研究論文を学術雑誌「ネイチャー」で発表した。これは、人類が大西洋を渡って移住した既知で最も早い記録だ。
分析対象となった3つの木片はそれぞれ異なる種の針葉樹で、いずれも当時の先住民が生産することのない金属でできた刃で伐採されていた。このことから、これらの木片はヴァイキングのものであったと考えられる。
研究チームは、放射性炭素「炭素14」の量をもとに生物由来の炭素系物質が存在した年代を推定する「放射性炭素年代測定」を用いて木片の年輪を分析した。放射性炭素は宇宙空間から入射する宇宙線と大気中の窒素の反応によって地球の高層大気で生成され、その一部が年輪に残されている。宇宙線は太陽活動と関連しているため、放射性炭素濃度の急激な上昇は、しばしば太陽フレアや太陽嵐などが起こった形跡と解釈される。
これまでに世界中の年輪で992年から993年までの間に放射性炭素の濃度が顕著に上昇したことが確認されている。これら3つの木片も同様に、樹皮の縁から29年さかのぼった年輪で放射性炭素濃度の急上昇が認められた。このことから、これらの木片は1021年に伐採されたと推定される。
「アメリカ大陸の発見の新たな基準点となる」
一連の分析結果は、北ゲルマン人が1021年に北米大陸で活動していたことを示すものだ。また、研究チームはこの研究成果の意義について「ヨーロッパ人によるアメリカ大陸の発見の新たな基準点となる」と述べている。
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