スマホを貸しただけなのに... メッセ機能で10万円超奪う詐欺が横行
地元シャーロット警察は、Venmoだけでなくモバイル決済大手のCash Appなど、送金アプリ一般で同様の詐欺被害が起き得るとして注意を呼びかけている。当時WCNCは「あなたの身にも起きるかもしれない」と警鐘を鳴らしていたが、まさに懸念どおり複数の被害が発生している。
地域情報を共有するアプリ「ネクスト・ドア」上では、類似の被害に遭ったという報告がほかにも複数件寄せられている。詐欺師の男はスマホ自体を本人に返却してから立ち去っているため、被害者側が送金通知のメールに注意を払わなければ、不正行為に気づくこと自体が困難だ。このため実際の被害件数は、報告されている件数を上回る可能性がある。
対処法は
類似の被害はVenmoに限らず、日本国内で普及している送金アプリでも起こり得る。メッセージアプリから直接呼び出せる送金機能という意味では日本は米国と事情が異なるが、目を盗んで送金アプリを直接立ち上げられてしまえば状況は同じだ。
自衛策としてWCNCは、送金アプリの設定を確認し、アプリ使用時にパスコード入力または顔認証などを求める設定に変更するよう推奨している。この設定により、例えばiOSのiMessage内からVenmoを通じて送金する際も、認証が必須となる。
スマホ自体にもロック機能はあるものの、電話をかけたいと相手に頼まれてスマホを貸す場面では、スマホ自体のロックは必然的に解除した状態で渡すことになるだろう。それだけに、このように別の手段でセキュリティを高めることが有効だ。
より原始的な手段としては、スマホを決して相手に操作させないことが役立つだろう。手元に置いたままスピーカーフォンで通話させることで、アプリを操作される可能性を低減できる。
シャーロット警察は「詐欺師を見抜くのは簡単ではない。彼らは頭の回転が早く非常に信用でき、そして大胆だ。質問を投げかけて、注意深く耳をそば立て、プレッシャーをかけられないようにすることが決定的に重要だ」とアドバイスする。善意の人助けに警戒心が求められるとは寂しいが、大切な財産を守るために心に留めておきたい。