最新記事

中国

後退するアメリカーー米中首脳電話会談で「一つの中国」を認め、ウイグル問題を避けたバイデン

2021年9月11日(土)14時38分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

4.古詩曰(いわ)く「山重水複疑無路 柳暗花明又一村(山が幾重にも重なり、川もうねうねと曲がりくねって、この先は行き止まりかと思いきや、薄暗く生い茂った柳の向こうに、色鮮やかな桃の花に囲まれた村があった)」。このように、中米は1971年に二国間関係の「氷」を破って以来、協力し合い、各国に具体的な利益をもたらしてきた。現在、国際社会は多くの共通の難題に直面している。中米は大局的な見地に立ち、大きな責任を担い、しっかり前に向かって進み、戦略的な大胆さと政治的な勇気を示して、中米関係が安定した発展の正しい軌道に一刻も早く戻るように促進し、両国民と世界各国の人々に貢献しなければならない。

5.(気候変動・コロナ・経済回復...などの問題に触れた後)より多くの協力の可能性を見つけ出し、引き続き対話を行い、両国関係にさらなる肯定的な要素を加えていく必要がある。

それに対してバイデンは以下のように応じた。

バイデン:

一、世界は急速な変化を遂げており、米中関係は世界で最も重要な二国間関係だ。米中がどのように相互作用するかは、世界に大きな影響を与える。

二、米中両国が競争のために対立し衝突に陥るなどという、いかなる理由も(必要性も)ない。

三、アメリカは一度も「一つの中国」政策を変えようと思ったことはない。

四、アメリカは中国と、より率直な交流と建設的な対話を行いたいと心から望んでいる。双方が協力できるような重点事項や優先領域を特定し、誤解や誤判断あるいは予想外の衝突を避け、米中関係を正しい軌道へと戻したいと強く願っている。

五、気候変動などの重要な問題について中国とのコミュニケーションと協力を強化し、より多くの合意を得られることを期待している。

アメリカにおける公式報道

アメリカはホワイトハウスのブリーフィングルームが、9月9日、"Readout of President Joseph R. Biden Jr. Call with President Xi Jinping of the People's Republic of China"(ジョセフ・R・バイデン・ジュニア大統領と中華人民共和国の習近平国家主席との電話会談について) をリリースした。

そこには以下のように書いてある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

10月経常収支は2兆8335億円の黒字=財務省

ワールド

イスラエル首相、ガザ和平第2段階移行の重要課題を米

ビジネス

10月実質賃金0.7%減、物価高が家計下押し「状況

ワールド

印南部ナイトクラブ火災、当局が原因調査命令 犠牲者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中