自己肯定感が低くても悩まずにいることは可能、心を惑わす「ノイズ」との付き合い方
Hiroshi Yamane
<『「自己肯定感低めの人」のための本』の著者で心理カウンセラーの山根洋士氏に聞く、もっと楽に生きるための「エクササイズ」>
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。
長引くコロナ禍で、心身の不調を自覚している方も多いでしょう。このような状況において、多くの読者から支持を集めているのが『「自己肯定感低めの人」のための本』(山根洋士、アスコム)です。
そこで今回は、心理カウンセラーとして8000人以上の悩みを解決してきた山根洋士さんに、自己肯定感の低い自分を受け入れるために知っておきたいことをうかがいました。聞き手は、株式会社フライヤーの執行役員を務める井手琢人です。
「仕事がうまくいったら自己肯定感が上がる」のウソ
井手琢人(以下、井手):ここ数年、「自己肯定感」という言葉を耳にする機会が増えたように思います。この言葉は、一般的に理解されている、そのままの意味でよいのでしょうか?
山根洋士さん(以下、山根):まさにその問いが、本書の執筆動機でもあります。「自己肯定感」の本来の意味は、みなさんが一般的にイメージしているものではないんですね。
みなさん、自己肯定感って、「何かができたら上がるもの」と思っているのではないでしょうか。仕事がうまくいったら自己肯定感が上がる......というような。
でもそれは誤解です。本来、自己肯定感とは「自分はそのままここにいるだけでいい」と、自分が自分に対して思えるような感覚のことをいいます。
井手:そうなんですね。 多くの人が誤解しているような気がします。
ここ数年、自己肯定感に関する書籍が多く出版されています。そのなかでも山根先生のご本は、自己肯定感を上げる方法ではなく、自己肯定感が低くても悩まなくてすむ方法が書かれている点がユニークだと感じました。
山根:ありがとうございます。もちろん、自己肯定感を上げる方法を教えてくれる書籍を否定するつもりはありません。
しかし、自己肯定感を勘違いしている人がいきなり「筋トレ」的なメソッドを試すと、かえって逆効果になってしまうかもしれない。そこで、「風邪を治してから筋トレしましょう」というメッセージを伝えたいと考えました。つまり、『「自己肯定感低めの人」のための本』を読んで「心の風邪」を治し、自己肯定感を取り戻してもらえたら、という思いです。
「自己肯定感低めの人」のための本
著者:山根洋士
出版社:アスコム
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落ち込んでしまうのは、「心のクセ」のせい
井手:本書には、「メンタルノイズ」、つまり「心のクセ」が「心の風邪」の原因だと書かれていますね。
山根:心の風邪を引いてしまうのは、心のクセが反応しているだけ。あなたが悪いわけではありません。そのことがわかると、「自分は悪くない、ノイズのせいなんだ」と思うことができ、自分を責めることがなくなります。