日本は世界で4番目に気候変動のリスクが高い国に 台風・豪雨影響
前年度調査では高リスク国の1位に
ひとつ年度を遡った2018年に関しては、日本は同ランキングで最も危険度が高い国となっている。同年7月には梅雨前線が活発化し、西日本を中心に北海道までの広い範囲が「平成30年7月豪雨(通称『西日本豪雨』)」に見舞われた。記録的な大雨となり、とくに長時間の雨量については観測史上1位を記録した地点が多発している。国土交通省資料によると、72時間降水量が史上最大となった観測点は全国で122ヶ所にのぼり、死者223名、家屋の浸水被害およそ3万棟を生む大災害となった。
同じ7月には記録的な猛暑も発生した。熱中症により、全国で1000名を超える人々が亡くなっている。日本の国立環境研究所などはこの事象を明確に気候変動の影響と捉えており、「このような猛暑の事例は、地球温暖化の進行に伴って今後も増え続ける」との予測を示している。
先進国で自然災害じわり
同年(2018年)には日本以外にも、先進国から2つの国が気候変動の甚大な影響を被った。この年のランキング3位はドイツとなっている。同年7月までの熱波で1000名以上の死者を出し、さらに10月の干ばつでは農業が壊滅的な打撃を受けた。9位となったカナダはマイナス45度の極寒で年を明け、5月には西岸の洪水で4000人以上が避難、夏季には2000件を超える山火事が発生している。
米ヒル誌は気候問題を、新型コロナによるパンデミックよりも「さらにじわじわと広がる、油断ならない敵」だと表現している。オックスフォード・エコノミクス社の予測によると、今世紀末までに気温が4度上昇すると仮定した場合、世界の国内総生産は最大で30%減少する可能性があるという。
台風や豪雨は国内の問題と捉えがちだが、少なくともデータが出ている2018年から2019年にかけては、世界規模で進行する温暖化の最も顕著な例のひとつであったようだ。