最新記事

東京五輪

東京五輪、中国人バド選手が韓国ペアとの試合中に「罵倒」連発で騒動に

Chinese Olympian Says What Sounded Like Swearing Was 'Bad Pronunciation'

2021年7月31日(土)10時42分
サマンサ・ロック
陳清晨選手

陳清晨選手(7月29日) LEONHARD FOEGER-REUTERS

<東京五輪に出場している中国の女子バドミントン選手が、試合中に「罵倒」言葉を連発していたと騒動に。本人は「発音の悪さでそう聞こえた」と釈明>

東京五輪のバドミントン女子ダブルスに出場している世界ランキング3位の中国人ペアが、韓国人ペアとの試合中に罵倒の言葉を繰り返していたとしてネット上で騒ぎが広がっている。ただ、当の中国人選手は、「発音が悪かった」せいだと釈明している。

陳清晨選手(24)は7月27日に行われた韓国ペアとの1次リーグの試合で、英語にすると大まかに「f***」を意味する中国語を何度も叫んでいたと指摘されている。

中国ペアはこの試合の第1ゲームを接戦の末に落としたが、陳選手は苛立った様子を見せており、その中で大声で何かを叫んでいた。

続く第2ゲーム、陳選手は自身やチームメイトの賈一凡選手が得点したときなど、熱くなった瞬間にまた何度か罵倒の言葉を叫んだように見えた。

試合後に彼女は声明を発表し、感情を爆発させたことについて謝罪した。彼女によれば「自らを励まそうとしていた」という。「私の発音が悪かったせいで、皆さんを誤解させてしまうことになるとは考えませんでした。神経質になっていました。ご支援に感謝します。発音も調整するようにします」

とはいえ、彼女が実際には何と言おうとしていたのかは明らかにされていない。

結局、この試合で中国ペアは韓国ペアを下し、準々決勝では福島由紀・広田彩花ペア(日本)にも勝利した。7月31日の準決勝では、騒動となった試合の相手である金昭映・孔熙容の韓国ペアと再戦する。

東京五輪ではこれまでも「問題発言」が

IOCの規定では、試合中の罵倒について明確な基準は定められていない。だが世界バドミントン連盟の行動規範には、選手たちは「あらゆる言語について、一般に知られ、理解される冒とく的または下品な言葉を言い、審判や観客に聞こえるほどはっきりと大声で言うこと」を避けるようにとされている。

試合の様子はソーシャルメディアを通じて拡散されているが、多くの中国のファンたちは今回の「罵倒騒動」についてはあまり問題視していないようだ。

今回の大会で、アスリートの発言が問題になるのはこれが初めてではない。イギリスの水泳選手アダム・ピーティーが100メートル平泳ぎの試合後に行われた生中継のインタビュー中に「fワード」を発して問題になった。またオーストラリアの水泳選手ケーリー・マキオンも、同様の騒ぎを起こした。彼女はその後、謝罪している。

罵りの言葉を発することには、選手の肉体的なパフォーマンスを高める効果があるとする科学者もいる。英キール大学の精神生物学研究者リチャード・スティーブンスが2017年に発表した研究結果によれば、汚い言葉を発することで肉体的なパフォーマンスは最大8%向上し、痛みへの耐性も高まったという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペイン首相が辞任の可能性示唆、妻の汚職疑惑巡り裁

ビジネス

米国株式市場=まちまち、好業績に期待 利回り上昇は

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド

ビジネス

NY外為市場=ドル一時155円台前半、介入の兆候を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中