最新記事

アメリカ社会

4000回の腕立て伏せを毎日、1年間続けた男...何を目指し、どうなったのか

Dad Breaks World Record by Completing 1.5 Million Pushups for Charity

2021年6月11日(金)18時53分
アナベル・ドリナー
腕立て伏せの世界記録を作ったネイト・キャロル

YouTube

<男はなぜ最大1日7000回も腕立て伏せをするのか。その生活を1年続けたことで得られた哲学とは>

米ウィスコンシン州に住むネイト・キャロルが、前人未到の大記録に挑戦している。「ウィスコンシン・ステート・ジャーナル」によれば、彼は6月6日の時点で、過去12カ月間に150万231回の腕立て伏せを行ったという。

この、ほとんど不可能に思われる極端なチャレンジを彼が行っている目的は、それによって子供たちを奮い立たせ、同時に重要な目的のために資金を調達することだ。

1日の平均で、腕立て伏せの回数は4100回。ときには7000回に達することもある。キャロルはこの挑戦によって、殉職した警官や消防士の家族に対して、住宅やローンの支援を提供するトンネルズ・トゥ・タワーズ基金(Tunnels to Towers Foundation)の資金を集めようとしている。

さらに、キャロルは自分の子供たちに、目標を達成するために大切なことを教えたいと考えている。FOXニュースの取材に対し、「不可能に見える目標であっても、1日に対処できる量に分けたとき、どのように見えるかを子供たちに示したい」と、キャロルは語っている。

キャロルはまた、「この挑戦を始めるのであれば、ただ記録を更新するのではなく、もっと深みがあるものにしなければならないと思った」とも述べている。

あらゆる場所をジムに見立て

言うまでもなく、この1年間で筋肉は引き締まった。だが、「何よりも気がついたのは、毎日何千回も腕立て伏せを繰り返すというストレスに対して、自分の体がどう感じ、どう反応するかを意識できるようになったことだ」

キャロルが言うには、「最も劇的な変化」は肉体ではなく、「精神的な強さだった。そして、体は驚異的な創造物であり、適切に手入れしてコンディションを整えれば、大きな身体的ストレスに耐え、途方もない偉業を成し遂げると理解できた」と語っている。

キャロルは、年間150万230回という従来の世界記録を更新する重要な節目を記念するため、ニューヨーク市の緊急救援隊員たちのフットボール大会である第48回ファン・シティー・ボウルのハーフタイムに、腕立て伏せを行った。

ソーシャルワーカーとして働くキャロルはこの1年間、リビングルームでもオフィスでも、あらゆる場所をジムに見立てて、日々の仕事を行いながら腕立て伏せをこなしてきた。

キャロルはウィスコンシン・ステート・ジャーナルに対して、「これほどの腕立て伏せと、父親としての義務、フルタイムの仕事すべてのバランスを取ろうとすれば、ときには乗り越えなければならない障害が現れる」と説明している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ沖の麻薬船攻撃、米国民の約半数が反対=世

ワールド

韓国大統領、宗教団体と政治家の関係巡り調査指示

ビジネス

エアバス、受注数で6年ぶりボーイング下回る可能性=

ワールド

EU、27年までのロシア産ガス輸入全面停止へ前進 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 4
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡…
  • 5
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 6
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 7
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中