最新記事

中国社会

女子中学生がバスの扉に足を挟まれ、30秒間も道路を引きずられる──中国

Girl Dragged Along Street After Getting Foot Stuck in Bus Door

2021年4月16日(金)18時04分
ジョン・フェン

South China Morning Post/YouTube

<状況に気付かずバスを発車させてしまった運転手は停職処分に。女子生徒の怪我は軽いという>

中国南部の広東省で2021年4月8日、13歳の女子中学生がバスから降りる際に片足と片手をドアに挟まれ、そのまま発車したバスに30秒近くも引きずられる事件が起きた。その戦慄の一部始終は監視カメラで撮影されており、バスを運転していたドライバーは停職処分となっている。

この中学生は怪我を負ったものの、命に別状はなく「軽傷だった」と、市営バス会社の広報担当者は事故後に発表した。

映像を見ると、停車したバスの後部ドアの前に、制服を着てピンクのリュックサックを背負った女子中学生が立っている。その目の前で、両開きのドアが開いた。

女子中学生は、出口のステップを一段下りたところで一瞬立ち止まり、車が来ないか外を確認。1台のバイクが通り過ぎるのを待った。その直後、下車しようと地面に左足をついたところでバスのドアが突然閉まり、右足と右手が挟まれてしまった。

映像では、マスク姿の女子中学生が必死に足を引き抜こうとしながら、動き出したバスに合わせて走っている様子がわかる。しかし、結局は転倒し、アスファルトの上を24秒間も引きずられることとなった。

South China Morning Post/YouTube


ドライバーは、彼女の叫び声と付近の通行人からの合図で事態に気づき、ようやくバスを停止させたと、地元紙は報じている。ドライバーについては、ジョウ(Zhou)という姓しか明かされていない。

監視カメラには、ドライバーがバスを止めて女子中学生のもとに駆け付け、怪我がないか確認する姿が映っている。彼女は大変な目に遭ったにもかかわらず、ドライバーが駆け付けた時点ですでに自力で立ち上がっていた。その後、ドライバーは女子中学生を支えながらバスに戻って席に座らせると、地元の病院まで連れて行ったと報じられている。

警察の発表によると、事故が起きたのは、恵州市恵城区を走る英山路という通り沿いのバス停近くだったという。ドライバーのジョウがこの過失運転で免許取り消し処分を受けるかどうか、当局は明らかにしていない。

女子中学生は入院したが、腕と脚に擦り傷を負う軽傷で済んだ。4月12日時点では経過観察中だった。

恵州市営バスの運営会社は地元メディア「ザ・ペーパー」に対し、事故が発生した路線は331系統で、ドライバーのジョウは社内の懲戒手続きを待つあいだ、停職となっていると語った。同社広報担当者はザ・ペーパーに、「事故は夕方のラッシュアワーに起こった。ドライバーは、女子中学生が安全に下車したかどうかの安全確認を怠った」と述べている。

さらに、「ドライバーは、女子中学生が下車しようとしている姿を見た。ただ、彼女は下車直前に立ち止まり、目の前を車などが通りすぎないかを確認した。そのあいだに、彼女はドアに挟まれてしまった」と説明した。

(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

プーチン氏、レアアース採掘計画と中朝国境の物流施設

ビジネス

英BP、第3四半期の利益が予想を上回る 潤滑油部門

ビジネス

中国人民銀、公開市場で国債買い入れ再開 昨年12月

ワールド

米朝首脳会談、来年3月以降行われる可能性 韓国情報
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中