最新記事

新冷戦

米ギャラップ調査、中国とロシアに対する好感度が歴史的低水準に

Americans Hold Record-Low Opinion of China, Russia As Biden Takes Both On

2021年3月2日(火)14時40分
デービッド・ブレナン

ロシアに対しても同様に、懐疑的な見方が多かった。近隣諸国への侵略行為や、海外で暮らす反体制派を狙った秘密工作、民主的な選挙への介入や米国内の標的に対するサイバー攻撃などを理由に、ロシアに対するイメージはここ何年も悪化の一途をたどっている。

調査では、ロシアに対する総合的な好感度は前年から6ポイント下落して、これまでで最低の22%を記録。回答者の77%が、ロシアに対して好ましくない印象を持っていることが示された。

ロシアについて最も肯定的な見方を示したのは共和党支持者と無党派の有権者で、それぞれ25%と24%がロシアに対して好意的な見方をしていると回答した。民主党支持者では、ロシアについて好意的な見方をしていると答えたのは、回答者の16%のみだった。共和党支持者と民主党支持者の間の好感度に変化がなかった一方で、無党派の有権者の対ロシア好感度は、この1年で12ポイント下落した。

バイデンは前任者のトランプよりも、ロシアに対して厳しい姿勢で臨むと予想されている。トランプは在任中、ロシアが2016年の米大統領選で、トランプの対立候補だったヒラリー・クリントンの評判を落とそうと画策したという証拠や公式な報告書に抵抗し続けた。トランプ陣営が同選挙で勝利できる可能性を高めるために、ロシアの当局者と接触した疑惑についても、繰り返し否定した。

プーチンは「米欧の結束の弱体化を狙っている」

バイデンは2月にミュンヘン安全保障会議で行った演説の中で、ロシアは「私たちの民主主義を攻撃し、腐敗を武器に私たちの統治システムを弱体化させようとしている」と批判。さらに「ロシアの指導部は人々に、私たちのシステムが彼らのシステムと同様に、あるいはそれ以上に腐敗していると思わせたがっている。だがそれが真実ではないことは、ロシアを含む世界中が知っている」と述べた。

米情報当局は2020年の米大統領選の際、トランプの続投を望むロシアのウラジーミル・プーチン大統領はバイデンの評判を落とそうと画策していたと主張する。

「プーチン大統領は欧州とNATOを弱体化させようとしている」とバイデンは前述の演説の中で述べた。「彼は米欧の結束や決意を弱らせようとしている。ロシア政府にとっては、結束が固く力強い米欧と交渉するよりも、個々の国をいじめたり脅したりする方がずっと簡単だからだ」

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコ、ロシア産ガス契約を1年延長 対米投資も検討

ワールド

米国がAUKUS審査結果提示、豪国防相「米は全面的

ワールド

アングル:大火災後でも立法会選挙を強行する香港政府

ビジネス

リオ・ティント、コスト削減・生産性向上計画の概要を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中