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東アジアから連れてこられたヨーロッパのタヌキの受難は終わらない

2021年2月19日(金)15時30分
冠ゆき

捕獲、狩猟、殺処分の対象

そのため、EU加盟国は、国土内でのタヌキの繁殖拡大をできるだけ防ぐように求められ、それぞれ策を講じている。

ドイツは個体数調整のために(タヌキを)毎年3万頭屠殺しているし、ルクセンブルグでは、タヌキの狩猟が、3月1日から4月15日の休猟期間を除いて一年中可能である。

フランスでもタヌキは、害獣リストに名を連ねる。つまり、2004年3月24日法令によって、「一年中、国内どこででも、罠にかけて捕獲してよく、狩猟期間は、知事の許可を得て撃ち殺してかまわない」動物とみなさることになった。

ちなみに、日本でも、タヌキは正式な手続きを経た狩猟の対象となる野生鳥獣に含まれる(環境省サイト、狩猟制度の概要)。しかし、それ以外の捕獲は、鳥獣保護管理法により禁止されている(環境省、鳥獣保護管理法)。

東アジアからヨーロッパに連れていかれたタヌキの受難は未だ終わらない......。

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