最新記事

韓国

韓国・株投資熱狂 投資を目的とする借入金も増え、家計債務世界1位に

2021年1月20日(水)17時15分
佐々木和義

1月6日、韓国総合株価指数KOSPIがはじめて3000を突破...... Yonhap/REUTERS

<1月6日、韓国総合株価指数KOSPIが史上はじめて3000を突破。実体経済を伴わない株価の急騰に政府系金融当局はリスクに注視しなければならないと警告する......>

不動産バブルが続く韓国で、新たに浮上した株価バブルに金融当局は危機感を強めている。2021年1月6日、韓国総合株価指数KOSPIが史上はじめて3000を突破した。

保守政権が目標に掲げながらも達成できなかった指数だが、実体経済を伴わない株価の急騰に政府系金融当局はリスクに注視しなければならないと警告する。

韓国証券市場は革新政権下で値上がりする傾向がある

韓国総合株価指数KOSPIは韓国証券取引所の上場株式の時価総額を基準日である1980年1月4日の時価総額と比較した指標で、韓国株式市場のベンチマークとして利用されている。

韓国証券市場は革新政権下で値上がりする傾向がある。金大中政権はアジア通貨危機、いわゆるIMF通貨危機からの脱却と時期が重なり、株価は乱高下を繰り返したが、盧武鉉政権は、誕生した2003年に600だったKOPSIが退任時には1700まで上昇した。

保守系の李明博元大統領は、就任前の2007年12月に証券会社を訪問し「来年中(就任1年目)に韓国総合株価指数KOSPIを3000ポイント、任期中に5000ポイントを達成する」と公言した。就任時は1709だったが、リーマンショックの影響もあり、2000ポイントを挟んで任期を終えた。

同じく保守系の朴槿恵前大統領も「(任期中の)5年以内にKOSPIの3000時代を開く」と話したが、憲法裁判所が弾劾を決定した2017年3月10日のKOSPIは2097.35だった。

李明博元大統領は不動産開発と公共工事を推進し、朴槿恵前大統領は経済副首相が「金を借りて家を買え」と発言するなど不動産市場の活性化を推進した。不動産奨励策で資本が不動産開発に流れて、株式市場の活性化と株価上昇を妨げたと投資専門家は分析する。

一方、文在寅革新政権は不動産への資金流入を抑制し、また、新型コロナウイルスの影響で主要国の中央銀行がゼロ金利政策を行った結果、株式市場に資金が流入したとみられている。

「NO Japan運動」で不動産価格高騰、そして株式投資に

韓国は投資適格案件が不足していると言われており、国内不動産に資本が集中する一方、リーマンショックと前後して海外投資、なかでも日本投資が相次いだ。財閥をはじめとする大企業は海外投資専門子会社を設立して、日本企業を買収し、個人資産家は日本の不動産を買い漁った。

2019年7月、日本政府が韓国向け輸出管理を強化して、韓国内で「NO Japan運動」が広がると、日本投資を控える心理が働いて不動産価格の高騰が加速した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ベネズエラ、近く鉱業改革実行へ 暫定大統領が米内務

ワールド

ドイツ情報機関、ロシアが戦争の真の経済的コスト隠蔽

ワールド

中国、中東紛争仲介へ特使派遣 外相がサウジ・UAE

ワールド

中国、不動産市場安定化へ 住宅供給改善策講じる方針
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中