最新記事

ペット

「5000円×36回ローンで買われた猫」を待ってた悲しい末路 犬や猫のいる生活には「100〜200万円」かかる現実

2020年10月10日(土)13時30分
阪根 美果(ペットジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

Aさんの場合は、「その部分は何とかなるだろ」と軽く考えていたと言います。しかし、実際に飼い始めるとチャッピー君が体調を崩すことや病気になることが多く、医療費等がかさみ、それがAさん自身の生活を圧迫する要因になっていたようです。

さらにコロナ禍が重なり、キャッシングでの自転車操業もままならず。ローンを支払うことも、体調が悪いチャッピー君を病院に連れていくことも、必要な食事を与えることもできなくなりました。

ペットを安易に購入してもいいのか?

今回のコロナ禍でわかるように、飼い主自身の経済状況が突然に変わる可能性もあります。そのような状況になっても犬や猫がつらい思いをしないように備えておく必要があります。また、犬や猫は10~15年以上を生きるわけですから、そもそも経済的に不安定であれば避けたほうが賢明でしょう。

もちろん飼い主だけでなく、ペットを販売する側にも問題はあります。ペットショップの店員は販売するのが仕事ですから、一括での支払いが難しいお客には当然ローンを勧めます。その際、飼い主の経済状況まで注意を払っているかというと怪しいもの。Aさんのケースから見てわかるように、安易な購入を増長しているのが現状です。

結局、Aさんは愛猫のチャッピー君の命を危険にさらしてしまったため、手放すことになりました。共に過ごしてきたチャッピー君にとっては悲しい結末でした。

犬や猫を飼うということは簡単なことではありません。どこから、どのように迎えるにしても、共に幸せに過ごしていけるのかどうか、時間をかけて事前に考えることが大切です。飼い主の安易さで犬や猫につらい思いをさせることがないように、真面目に命と向き合い、愛情と責任を持ってその答えを出すことが必要なのでしょう。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。元記事はこちら
toyokeizai_logo200.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

豪就業者数、8月は5400人減に反転 失業率4.2

ビジネス

イーライリリー経口肥満症薬、ノボ競合薬との比較試験

ワールド

トランプ氏、反ファシスト運動「アンティファ」をテロ

ビジネス

機械受注7月は4.6%減、2カ月ぶりマイナス 基調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中