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人口減少の時代に増え続ける新築物件 全国378万の空き部屋をどう有効活用するか

2020年9月30日(水)15時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

全国には横浜市の人口と同じくらいの数の空き部屋がある maruco/iStock.

<日本の人口は2008年をピークに減少に転じたが、住宅数はその後も人口を上回るペースで増加し続けている>

日本の社会は人口減少の局面に入っており、これからどんどん縮小していく。1年間の人口減少は50万人ほどで、近い将来、1年で100万人減る時代となる。毎年、千葉市くらいの政令市がごっそり消えていくわけだ。

その一方で、人を入れるハコ(住宅)は増え続けている。筆者が住んでいる三浦半島の南西でも、建設中の住宅がちらほら見られる。よく言われるように、日本人の新築嗜好は強い。人口減少の時代だというのに、新しい住宅が雨後の筍のように建つ。その実態をデータで可視化すると<表1>のようになる。総務省『住宅土地統計調査』の実施年のデータだ。

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戦後初期から人口は増え続けるが、2008年をピークに減少の局面に入っている。一方の住宅数は、戦後一貫して人口を上回るペースで増加している。戦争で多数の家が焼かれてしまったので、「住」の供給は国にとって至上命題であった。だが人口が減り始めた今でも増え続け、2008年は5759万、13年は6063万、18年は6241万と過去最高を更新している。

2008〜18年の10年間で、人口は1.3%減ったが、住宅は8.4%増えている(右欄の指数)。今後、この乖離はますます大きくなるだろう。

新築嗜好は今に始まったことではなく、人口減少時代での住宅増加を上手く説明できない。おそらくは、賃貸住宅が増えているためとみられる。家族サイズの縮小(単身化)により、1ルームのような狭小住宅への需要が増しているし、土地の相続税対策としてアパートを建てる地主が増えているとも聞く。

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