最新記事

ドイツ

ドイツ人 マスク嫌いすぎで小売業がピンチ 

2020年6月9日(火)18時30分
モーゲンスタン陽子

マスクが心理的に影響し、ショッピングをネガティブな体験にしてしまっている...... Bayerischer Rundfunk-YouTube

<ドイツでは、経済活動を再開しつつ人々を感染から守る目的で導入されたマスクの着用義務が、逆効果になってしまっている......>

ドイツでも4月末から公共の場でのマスク着用が義務付けられているが、このマスクが原因で、小売業がかつてないほどの壊滅的なダメージを受けているという。経済活動を再開しつつ人々を感染から守る目的で導入された着用義務が、逆効果になってしまっているようだ。

マスクが嫌いすぎて、楽しいはずのショッピングがネガティブな体験になってしまったのが原因といわれる。食料品の買い物は仕方がないが、それ以外は相変わらずネットで購入する人が多く、市街中心地の多くの店は空っぽのままだ。

病院にいるような気分で楽しさ半減

ドイツ貿易協会(HDE)の発表によると、非食品小売業者の3分の1で収入が前年比半分未満、さらに3分の1は売上が前年の51〜75%となっている。ケルンの貿易研究機関(IfH)の代表カイ・フーデッツはウェルトのインタビューで「マスクが心理的に影響し、ショッピングをネガティブな体験にしてしまっている」と述べている。マスクをしていると、楽しいはずのショッピングが病院にいるようで楽しくなくなってしまう。したがってマスク着用義務が続く限り、ドイツの小売業がさらなる大打撃を受ける可能性を指摘している。

小売店が再営業を許された5月の第2週末、主要都市の有名なショッピング街の通行人の頻度が前年比最大63%減少した。これから夏本番になり、気温が30度を超えるようになると、マスクをしての外出はますます敬遠されるようになるだろう。

ほとんどが義務を守ってはいるものの......

ドイツ通信社の依頼によりYouGovが5月28日に行った調査によるとドイツ人の81%が常に着用、13%が時々着用しており、ほとんどの人が着用義務を守っている。だが現在の形での義務継続を希望するのは49%にとどまり、19%が廃止を、14%が緩和を希望している。東西で見ると、東部では42%、西部では30%が緩和または廃止を希望している。

隣国オーストリアでは6月15日よりマスク着用義務が緩和され、薬局以外の小売店ではマスク着用義務がなくなることも、ドイツで不満の声が高まっている原因のようだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

楽天G、金融事業の再編協議を再開 銀行やカードの集

ビジネス

伊藤忠、伊藤忠食品に1株1万3000円でTOB 完

ビジネス

ドイツ消費者信頼感、3月は予想外の悪化 購買意欲低

ビジネス

日経平均は大幅続伸、史上最高値更新 日銀人事が追い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    最高裁はなぜ「今回は」止めた?...トランプ関税を違…
  • 7
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 8
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 9
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 10
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中