ドイツではなぜこれまで人種差別が語られてこなかったのか BLM運動は自国の問題
ドイツでも、黒人が警察により殺された事件が数件起きている ...... FRANCE 24 English-YouTube
<ジョージ・フロイド殺害事件を機にドイツの抗議デモは今やアメリカ国外で最大といわれる。アメリカへの共感だけではなく、ドイツ国内に存在する人種差別、とくに警察に対する怒りが爆発しているようだ ......>
ジョージ・フロイド殺害事件を機に「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動が世界中に広がった。ドイツでも6月6日、ベルリンで1万5千人、ハンブルクで1万4千、ミュンヘンで2万人以上が抗議に集まったが、その1週前の各地デモの10倍もの人出だった。ドイツの抗議デモは今やアメリカ国外で最大といわれる。アメリカへの共感だけではなく、ドイツ国内に存在する人種差別、とくに警察に対する怒りが爆発しているようだ。
11日、ドイツの司法省と内務省は、警察による「レイシャルプロファイリング」に対する調査を行うことを発表。またベルリンでは4日、全国で初めて、警察などから不当な差別を受けた場合に賠償を求めることができる新しい反差別法を可決している。
ドイツは2017年に国連より、国中に蔓延する人種差別と「歴史の不完全な認識」、そして警察に内在する組織的人種差別について警告を受けている。
レイシャルプロファイリングとは
レイシャルプロファイリングとは、有色人種の外見で調査対象を絞り、不必要な身体検査や職務質問を行うことだ。国連の指摘にもかかわらず、警察当局がレイシャルプロファイリングの存在を繰り返し否定していること、そして連邦および州レベルでの独立した(警察に対する)苦情メカニズムの欠如が、これを助長しているといわれる。
政治家の意見は分かれている。ドイツ警察内に組織的人種差別はないと主張する政治家たちは、どうやらアメリカでの差別と同レベルで語られることに不満のようだ。
ドイツ憲法は性別、人種、宗教的見解など様々な理由による差別を明確に禁じているが、徹底されているわけではなかった。2018年の裁判では、特定の地域で肌の色の濃い人が平均より多くの刑事事件を起こす具体的な兆候がある場合、警察にレイシャルプロファイリングを認める判定が出されている。
ドイツでも、黒人が警察により殺された事件が数件 ......
ドイツでも過去、黒人が警察により殺されたり、保護中に亡くなったりという事件が数件起きている。最もよく知られているものに、2005年にシエラレオネからの亡命希望者オウリー・ジャローがデッサウ警察拘留中に焼死体で発見された事件がある。ジャローの体はマットにくくりつけられていた。警察官2人が有罪となったがのちに釈放、2011年に再調査が始まるも証拠不十分で17年に調査は終了となったが、19年にジャローがひどい虐待を受けていたという科学報告が発表された。
今月12日には、ドイツ東部ブランデンブルク州の警官2人が、70歳のホームレスの男性にふざけ半分の嫌がらせを行っているビデオがSNSで出回り、停職となった。
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