全国22万人の小中学生が、夕食を独りで食べている
4つの時間帯の平均値を出すと、朝が5.3%、昼が0.9%、夕が1.6%となる。小学生の孤食率はこの通りだが、発達段階が上がると率は上昇する。中・高・大学生の孤食率を同じやり方で算出し、グラフにすると下の<図2>のようになる。
発達段階が上がるほど孤食率は高くなる。大学生は朝・夕の孤食率が2割を超えるが、これは一人暮らしが多くなるからだ。高校生の朝の孤食率は12.3%で、通学電車の中でカロリーメイトをパクつくというのもこれに入るだろう。
夕食の孤食率は小学生で1.6%、中学生で3.7%だが、これを2019年5月時点の全児童・生徒数に掛けると、夕飯を一人で食べる小学生は10.2万人、中学生は11.9万人、合わせて22.1万人と見積もられる。「子ども食堂」の救いを求めている子どもはかなりいると見られる。
これは全国の試算値だが、気になるのは地域差だ。おそらく、核家族の共働き世帯や一人親世帯が多い都市部では、孤食をする子どもは多いだろう。毎年実施される『全国学力・学習状況調査』の質問紙調査で、孤食の状況を尋ねたらどうか。できれば市区町村レベルのデータも欲しい。地域ごとの詳しい情報があれば、限りある資源をどこに注入するべきかも見えてくる。
<資料:総務省『社会生活基本調査』(2011年)>