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中国は早くから新型コロナウイルスを知っていたのか?2019年9月26日の「湖北日報」を読み解く

2020年5月17日(日)22時00分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

ここまで来ると、さすがに日本の国民に誤った情報が刷り込まれていくと危惧し、真相を書かねばならないと思うに至ったわけだ。

人に感染するコロナウイルスには7種類ある

手軽なところで「コロナウイルス」に関するWikipediaをご覧いただいても分かるように、「ヒトコロナウイルス」には7種類あり、1960年代からいく度も感染拡大を続けては、その度に「新型」と呼ばれてきた。

その根源をさかのぼれば、紀元前8000年には存在していたと考えられており、一部のモデルは5500万年以上前にさかのぼってコウモリとの長期的な共進化を遂げてきたことが学術的に示唆されているくらいだ。

近いところでは、国立感染症研究所が発行している学術誌の2005年第6号にある「SARS(重症急性呼吸器症候群)とは」をご覧になると、ここに明確に「新型のコロナウイルス」 という表現がある。下にその証拠を示す。

endo20200517152002.jpg

すなわち、SARSでさえ、「新型のコロナウイルス」だったことが、これにより理解できるだろう。

「新型のコロナウイルス」と書いてあったら、全てが今流行している新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の病原体である2019新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」だと思い込むのは科学的でなく、論理的でない。

はっきり申し上げて、テレ朝の番組でお話しになった中国問題研究者が、9月26日の湖北日報に書いてある「新型のコロナ状のウイルス」を「まちがいなく今般の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」だ」(それ以外の何ものでもない)と断言したのは、大きな「まちがい」なのである。

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学も2019年10月18日に「新型コロナウイルス」パンデミックに関するシミュレーションを行っている


もう一つ決定的な例をお見せしよう。

それは2019年10月18日にアメリカのジョンズ・ホプキンス大学が「新型コロナウイルス」パンデミックに関するシミュレーションを行っていることである。

日時に関してはこちらのサイト「EVENT201」に書いてある。そこにはジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターは、世界経済フォーラム、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団と提携し、2019年10月18日にニューヨークでハイレベルなパンデミック演習「イベント201」を開催したと書いてある。このサイトでは「近年、世界では疫病に関するイベントが増加して、年間で約200件にも及ぶ」と書いてあるのが気になる。

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