最新記事

中国

欠陥マスクとマスク不足と中国政府

China Reportedly Takes Control of Mask Production After Complaints

2020年4月28日(火)18時30分
デービッド・ブレナン

フロリダ州危機管理局もN95マスクを発注していたが、もう何週間も前から立ち消えになっていると明かしている。

遅れやキャンセルが生じているのは、政府管理のためだろう。イギリスやスペイン、チェコ、オランダなどの国々が、中国製の医療物資が粗悪だったとして、回収したり受け取りを拒否した屈辱を繰り返すまいとしているのだ。

米国務省は4月半ば、中国に対して、医療に不可欠な物資の輸出を妨げる要因を排除するよう求めた。「品質管理を徹底する取り組みには感謝したい」。国務省報道官はそう述べた。「しかし、そのせいで重要な医療物資が速やかに輸出されなくなる事態をわれわれは望んでいない」

そこまで努力しているにも関わらず、中国は品質問題を解消できずにいる。カナダ政府は4月24日、N95に相当する中国製マスクKN95の受け取りを拒否したと発表した。カナダ連邦が定める基準を満たしておらず、第一線でウイルスと闘う医療従事者の保護には適切でないという。

不良品は政府が押収

AFPの報道によると、中国商務省は4月25日、医療物資を対象にした新たな規則を導入。すべての輸出品は、中国規格と国際的な規格を満たしていなければならないと通告した。今後は物資を輸出する際に、輸出先の国が定める安全要件を満たしていることを示す宣誓書の提出が義務づけられるという。

中国当局はさらに、約1600万件の事業所を対象に調査を行い、8900万枚を超える不良品マスクを押収したと発表した。国家市場監督管理総局の甘霖(ガン・リン)副局長は記者に対し、マスク以外の防護用品41万8000点と、効果のない消毒用品100万ドル相当も押収したと述べている。

中国税関総署の高官、金海(ジン・ハイ)は4月、企業のなかには、基準に満たない医療物資を生産して「手っ取り早く儲けよう」としているところがあると語ったと、AFPは報じている。

(翻訳:ガリレオ)

20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、サウジ・ジュベイルの石化コンビナート攻撃 

ビジネス

中東戦争がインフレ押し上げ、年内約2.75%に上昇

ワールド

イラン高官「圧力下の降伏拒否」、バベルマンデブ海峡

ワールド

米イラン協議、パキスタンの仲介正念場に サウジへの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 6
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 7
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 8
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 9
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 10
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 9
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中