最新記事

コロナ対策

「コロナ疲れ」浮き彫りに、専門家が対策呼びかけ──英調査

2020年4月20日(月)15時50分
松丸さとみ

一方で、こうした不安の中、心の健康を保つために多くの人が実行していると挙げたのは、友達や家族と定期的に(多くの場合は、オンラインで)連絡を取り合うことだった。また、ボランティア活動など他者を助ける活動をしながら、人とつながりを保つという回答もあった。

そのほか、趣味や運動に没頭して気を紛らわす、瞑想する、ペットに助けられている、という声もあった。また、先行きが不安な状況の中、何かしらの目的意識を保つために、仕事が大切だと言う人も少なくなかったようだ。

「デジタル時代のツールを活用した治療法が必要」

同論文の執筆者の1人である英グラスゴー大学のロリー・オコナー教授は発表文の中で、「もしこのまま何もしなければ、不安症やうつなどの心の病や、アルコール中毒や薬物中毒、ギャンブル、ネットいじめといった問題行動、さらには人間関係の破綻やホームレスといった社会問題が増える危険性がある」と警告した。

論文は、こうした不安やストレスから、自傷行為や自殺が増えるリスクもあると指摘。しかし新型コロナからの精神面への影響を軽減する取り組みがあれば、自殺は避けられないものではないとしている。そのため、不安、うつ、自傷行為、自殺、その他心の問題について、リアルタイムでの評価や、アプリやインターネットを使ったデジタル技術による介入の必要性を専門家らは訴えている。

専門家らは特に、医療従事者や高齢者、心の問題を抱えている人たちのメンタル面を優先的にサポートする必要があるとの考えを示した。

新型コロナウイルスに関してこれまで行われた研究の中で、精神面への影響について調べたものはあまりないという。論文の中で専門家らは、研究者などに資金を提供する機関に対し、こうした研究を行うための調整グループを立ち上げるために、研究者らに協力するよう訴えている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米国産大豆追加購入の可能性低下も 関税違憲判

ビジネス

トランプ関税違憲判決、米エネ企業のコスト軽減 取引

ワールド

米USTR、新たな301条調査開始へ 主要国の大半

ワールド

トランプ氏、10%の代替関税に署名 最高裁の違憲判
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由...「落葉帰根」派も「落地生根」派も
  • 4
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 5
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 6
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 9
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 10
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中