最新記事

感染症

米、新型コロナウイルス死者3万人突破 NY州はマスク着用義務化

2020年4月16日(木)09時34分

新型コロナウイルス感染症による米国の死者が3万人を突破した。1週間前の2倍に急増し、世界で最多。NYの医療施設で4月14日撮影(2020年 ロイター/Caitlin Ochs)

新型コロナウイルス感染症による米国の死者が15日、3万人を突破した。1週間前の2倍に急増し、世界で最多。感染拡大が最も深刻なニューヨーク州は州民に対し、公共の場で社会的距離を維持できない場合、マスクの着用を義務付ける行政命令を発令した。

一方、新型コロナ感染拡大の影響が限定的な複数の州は、トランプ大統領が目指す5月1日をめどに行動制限を緩和し、経済活動の一部を再開する方向で検討を進めている。

この日発表された3月の小売売上高と鉱工業生産はともに大幅なマイナスとなり、経済再開の必要性を浮き彫りにする格好となった。

ロイターの集計によると、新型コロナ感染症による死者数は3万0400人に達し、感染者の累計は63万人となった。国内最初の死者が2月29日に報告されてから38日間で死者数は1万人に増え、その後わずか9日間で1万人から3万人に急増した。

今週公表されたワシントン大学のモデル分析に基づく予測は、死者数は8月初旬までに6万8800人と、現在の2倍以上に達する可能性を示している。

米国に次いで死者数が多いのはイタリアで、2万1000人強に上り、3番目はスペインの1万8500人強。世界の死者数は13万3000人を超えている。

ニューヨーク州のクオモ知事は今週、コロナ危機は最悪期を脱しつつあると述べている。知事によると、15日時点で新型コロナ感染症による同州の1日当たりの死者数は752人と、前日から小幅減少したものの、なお高止まりの状況が続いている。入院者数は2日連続で減少した。

この日出した行政命令は、州民が公共の場で他人との距離を6フィート(1.8メートル)以上保てない場合、マスクもしくはバンダナなどの代表品の着用を義務付けている。

知事はまた、経済活動再開に関する計画の概要も明らかにし、重要性が最も高く、感染拡大のリスクが最も少ない事業から段階的に活動を再開する方針を示した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中