米、新型コロナウイルス死者3万人突破 NY州はマスク着用義務化
新型コロナウイルス感染症による米国の死者が3万人を突破した。1週間前の2倍に急増し、世界で最多。NYの医療施設で4月14日撮影(2020年 ロイター/Caitlin Ochs)
新型コロナウイルス感染症による米国の死者が15日、3万人を突破した。1週間前の2倍に急増し、世界で最多。感染拡大が最も深刻なニューヨーク州は州民に対し、公共の場で社会的距離を維持できない場合、マスクの着用を義務付ける行政命令を発令した。
一方、新型コロナ感染拡大の影響が限定的な複数の州は、トランプ大統領が目指す5月1日をめどに行動制限を緩和し、経済活動の一部を再開する方向で検討を進めている。
この日発表された3月の小売売上高と鉱工業生産はともに大幅なマイナスとなり、経済再開の必要性を浮き彫りにする格好となった。
ロイターの集計によると、新型コロナ感染症による死者数は3万0400人に達し、感染者の累計は63万人となった。国内最初の死者が2月29日に報告されてから38日間で死者数は1万人に増え、その後わずか9日間で1万人から3万人に急増した。
今週公表されたワシントン大学のモデル分析に基づく予測は、死者数は8月初旬までに6万8800人と、現在の2倍以上に達する可能性を示している。
米国に次いで死者数が多いのはイタリアで、2万1000人強に上り、3番目はスペインの1万8500人強。世界の死者数は13万3000人を超えている。
ニューヨーク州のクオモ知事は今週、コロナ危機は最悪期を脱しつつあると述べている。知事によると、15日時点で新型コロナ感染症による同州の1日当たりの死者数は752人と、前日から小幅減少したものの、なお高止まりの状況が続いている。入院者数は2日連続で減少した。
この日出した行政命令は、州民が公共の場で他人との距離を6フィート(1.8メートル)以上保てない場合、マスクもしくはバンダナなどの代表品の着用を義務付けている。
知事はまた、経済活動再開に関する計画の概要も明らかにし、重要性が最も高く、感染拡大のリスクが最も少ない事業から段階的に活動を再開する方針を示した。