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アメリカ社会過密状態の米刑務所は新型コロナウイルスの餌食
U.S.Coronavirus May Cause 'Public Health Catastrophe' in Jails
アメリカの刑務所はウイルス拡散の温床になりかねない Lucy Nicholson – REUTERS
<死ぬリスクの高い慢性疾患をもつ高齢者から釈放せよ、と権利団体が訴え>
アメリカの刑務所改革を求める権利擁護団体「ザ・センテンシング・プロジェクト」は、全米の刑務所で過密状態にある監房が、新型コロナウイルスの急速な感染拡大を招く可能性があると警告した。民主党の上院議員らも、刑務所当局に、感染者発生に対処するための緊急事対応策を明らかにするよう求めている。
ザ・センテンシング・プロジェクトは公安当局に、未決拘禁中の被疑者や更生した受刑者など、社会に危険をもたらさない人々の釈放を求めている。
「拘置所と刑務所は現在、不衛生かつ過密な状態にあり、新型コロナウイルス感染拡大の温床になるだろう」と、同プロジェクトの上級調査アナリスト、ナズゴル・ガンドノーシュは本誌の取材に答えた。
「高齢の収容者は社会に危険をもたらすことはほとんどないが、慢性疾患にかかっている割合が非常に高い。だからコロナウイルス感染で死亡するリスクが最も高い」
<参考記事>ついにアメリカでも火がついた新型コロナ危機「数百万人が感染しかねない」と米高官
釈放して過密状態を解消せよ
「時間こそが、アメリカの刑務所と拘置所におけるウイルス感染拡大の大惨事を回避するカギになる。感染の危険がある間、釈放して収容者の健康を守るべきだ。そうすれば刑務所職員が重病者を看護する負担も軽くなり、限りのある医療資源の節約にもなる」と、ガンドノーシュは語った。
受刑者の権利擁護運動に関わる人々は、同様の懸念を表明している。彼らが恐れているのは、全米の刑事施設で暮らす約220万人の収容者の間でウイルスが蔓延することだ。
<参考記事>新型コロナの感染対策で日本の後を追うアメリカ
米自由人権協会(ACLU)国立刑務所プロジェクトのマリア・モリスは、ニュースサイト「コモン・ドリームス」の3月9日の記事で、刑務所には外からスタッフや訪問者が常に出入りしてウイルスを持ち込む可能性があるし、訪問者が帰宅してウイルスを拡散するリスクもある、と書いた。
民主党幹部も先日、連名でコロナウイルス対策について問い合わせる書簡を連邦刑務所に送った。民主党大統領候補のバーニー・サンダース上院議員、予備選から撤退したカマラ・ハリス、エリザベス・ウォーレン上院議員なども署名している。
(翻訳:栗原紀子)
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