米ウーバーが安全報告書を公開、1日平均8人が性的暴力被害に
2年間で事故死107人、レイプ被害464人...... CBC News-YouTube
<ウーバー・テクノロジーズは、2017〜2018年の米国での同社プラットホーム利用による死亡事故や殺人、性的暴力などに関する安全報告書を発表した......>
2年間の合計利用回数23億回
米配車サービス大手のウーバーの運営会社ウーバー・テクノロジーズはこのほど、2017〜2018年の21カ月間における米国での同社プラットホーム利用による死亡事故や殺人、性的暴力などに関する安全報告書を発表した。この類の報告書は同社にとって初めてとなる。
ウーバーは報告書発表にあたり、一般的に企業は自社サービス利用に伴う性的暴力など深刻な問題に触れたがらないと指摘。しかしそのような秘密主義では安全にはならない、と考えているのが、今回、安全報告書をまとめた理由だと説明した。
同社によると、前述の期間中、米国内でウーバーが利用された回数は合計23億回に達し、1日平均では310万回となった。今年(10月31日まで)だけで見ると、1日400万回弱利用されており、1秒あたり45回となる。
ウーバーは報告書の中で、全体の利用回数のうち99.9%は安全上の問題がまったくなかったとしている。忘れ物や返金、目的地までのルートなどで何らかのサポートを必要としたのは1.4%だった。安全に関する問題でサポートを必要としたものは0.1%で、そのほとんどが乱暴なブレーキや口論などの内容だったという。安全面での重大な問題が発生したのは、全体の0.0003%だったとしている。
2年間で事故死107人、レイプ被害464人
具体的な数字を見ると、2017年と2018年に、ウーバー利用中の死亡事故は97件あり、107人が死亡した。また、暴力事案で死に至った被害者は19人おり、うち8人が乗客、7人がドライバー、4人は第三者(ウーバーのドライバーでも利用客でもない人物)だった。
性的暴力に関しては、ウーバーは「性的でない身体部位への同意のないキス」「強制性交未遂」「性的身体部位への同意のない接触」「性的身体部位への同意のないキス」「強制性交」の5つのカテゴリーに分類。これらを合計すると、2017年は2936件、2018年は3045件で合計5981件あったという。
2017年から2018年の1年間でウーバーの利用回数自体が10億回から13億回に増えているため、性的暴力の被害の割合としては1年間で16%減少したと報告書は述べている。前述の5つのカテゴリーのうちもっとも多かったのは「性的身体部位への同意のない接触」で、2017年は1440件、2018年は1560件。割合としてはそれぞれ、0.0001%だという。
また、レイプ(強制性交)は、2017年は229件、2018年は235件あった。割合は0.00002%となる。
なお報告書によると、メディアで報じられたウーバーでの性的暴力2894件のうち、92%がドライバーが加害者だった。こうしたことから、「ウーバーで性的暴力」というとドライバーが加害者と思われがちだが、実際は、今回の報告書でカバーされた性的暴力のうち、加害者とされた人物の45%が乗客だったという(ドライバーは54%)。