最新記事

中国

香港民主派圧勝、北京惨敗、そして日本は?

2019年11月27日(水)13時00分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

自由と民主のために命を懸ける香港の若者たち Marko Djurica-REUTERS

24日の香港区議選で民主派が圧勝した。香港市民はみな「暴徒」を憎んでいると言い続けた北京政府は惨敗した。このような中、日本が習近平を国賓として招聘するのは如何なるシグナルを世界に発信することになるのか?

驚くべき選挙結果

香港で24日に行われた区議会選挙は、民主派の圧勝に終わった。452議席のうち、民主派が388議席で、親中派(建制派)が59議席となった。中立(民主派でも親中派でもない)が5人いる。最終的な正しいデータはこちらで見ることができる。それによれば、獲得議席の増減と占有率は

  民主派:388議席(263議席増)85.8%

  親中派: 59議席(240議席減)13.0%

という、驚くべき結果となっている。民主派と親中派の議席数は、これまでと完全に逆転しただけでなく、その逆転さえも大幅に上回っている。

原因としては、多くの若者が投票に行ったことが挙げられる。

区議会選挙には選挙権のあるすべての香港市民が投票する権利を持っているので、最も香港市民の民意が表れる選挙である。したがって、今年6月から始まった香港政府への抗議デモに対する香港市民の「審判」であると位置づけることができる。

たとえ警察の、あまりに理不尽な暴力に対する反抗であるとはいえ、後半ではデモ側にも火炎瓶を投げるなどの暴力行為があったために、一般市民の反発が懸念され、投票結果に世界中が注目していたと言っても過言ではない。

そのような中での民主派の圧勝は、「サイレント・マジョリティ」が、実は政府に反抗し警察と闘う若者たちを応援していたということを証明し、民主と自由を目指す人々に希望を与えてくれた。誰もが拍手喝采をしたい気持ちになっただろう。

もっとも、投票率自体は71.23%という高い数値だが(2015年は47.01%)、各陣営の獲得した投票数とパーセンテージを見ると

  民主派:1,673,834票(57%)

  親中派:1,206,645票(41%)

となっており、その差は467,189票(46万7千票)で、選挙民全体が選んだ全体の得票率は約「6対4」という対比になっている。

したがって、なかなか手放しで喜ぶわけにはいかないが、少なくとも「北京の惨敗」であることだけは断言できる。

北京の惨敗を、北京政府はどう受け止めているのか

では北京政府はどのようにこの事態を受け止めているのだろうか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ネタニヤフ氏、汚職裁判で異例の恩赦要請 「イスラエ

ワールド

香港火災、数千人が追悼 中国は抗議活動「厳正に処罰

ビジネス

ロシア・ロスネフチ、1─9月期は7割減益 高金利や

ワールド

ベセント米財務長官、「不法在留外国人」への税還付停
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批判殺到...「悪意あるパクリ」か「言いがかり」か
  • 4
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中