最新記事

中国

習近平「ブロックチェーンとデジタル人民元」国家戦略の本気度

2019年11月5日(火)11時15分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

それにブロックチェーンが産業活動や生活上便利であるならば「初心」には目をつぶっていればいいわけだから。

本気度、その3――中国人民銀行が「デジタル人民元」?

10月28日になると、中国人民銀行科技司の李偉司長は、上海で開催された「中国金融四十人フォーラム」が推し進める第一回の「バンド金融サミット」で、「ブロックチェーン技術はデジタル・イノベーション発展を推進するに当たって絶大な潜在力を持っている」と語った。また民間銀行に対しても、金融事業へのブロックチェーン導入を強化するよう促した。

同フォーラムには中国国際経済交流センターの副理事長を務める黄奇帆が出席しており、ブロックチェーンを熱く語り「リブラが成功するとは思えない。中国人民銀行が全世界で最初にデジタル貨幣を使うことになるかもしれない:6大注意点」という見出しで大きく報道された。

黄奇帆はあの薄熙来が重慶市の書記をしていたころに副書記を務めていて、何かと怪しげな動きをしており、ずっとその動向を追いかけていたのだが、結局金融方面に強いことから生き残り、今では「デジタル人民元」推進の中心的存在になっている。彼を生き残らせた胡錦涛政権とそれに続く習近平政権の「人物」の使い方には、少々感心するものがある。

彼のスピーチのテーマは「デジタル化リモデリングのグローバル金融エコロジー」。

その中で彼は以下のような爆弾発言をした。

――デジタル化は天地をひっくり返すような作用をする可能性を秘めている。将来的には、定量的投資(決められた規則・モデルに沿って投資する)やロボアドバイザー投資(ロボットが自動的に設定に従って投資をしてくれる)、人工知能定価(AIで商品・中古品の価格を決める)あるいは「保険で賠償する場合の金額計算をAIで決める」とか金融クラウドサービス、「証拠・証明書をブロックチェーンに保存する」など、新金融業態が絶えず進化し、金融業界は、これまでになかった全く新しい時代に突入していく。それを中国がリードしていくことになる。

黄奇帆が語った6大注目点は、以下の6つである。

(1)ブロックチェーンはDNA技術のように、様々なレベルで基礎ステータスの底上げに役立つ。

(2)SWIFTとCHIPSは技術が古くて、効率も低い。国際送金に何日もかかるし、大規模な送金に対応できない、かつ手数料が高いという問題がある。したがって世界にはブロックチェーンをベースにする新型清算ネットワークが必要。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイのアヌティン首相再選、政治的な安定に期待感

ビジネス

経済・物価見通し実現なら引き続き政策金利引き上げ、

ワールド

中国、3年以内にポスト量子暗号に関する国家標準策定

ワールド

iPhone数億台に侵入可能なマルウエア、ウクライ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 10
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中