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スマートシティーのスマートでないインドの現実

The Dirty Work Behind Smart Cities

2019年10月25日(金)12時00分
アンヘル・マルティネス・カンテラ

北部ウッタルプラデシュ州の「スマートシティ」アラハバードには今もごみ問題が山積(写真は2009年) REUTERS/Jitendra Prakash (INDIA ENVIRONMENT SOCIETY)

<100カ所のハイテク都市をインド全土に構築する計画だが、ごみ投棄場の問題は放置されたまま>

「マラリアが増えていて、農産物の出来は悪い。汚染水のせいで体を壊した」と、シムロ・デビ(59)は巨大なごみ捨て場を指して不満を口にする。

彼女が住むインド北部、ダラムサラ近郊の町サッダーの入り口では、拡大を続けるごみの不法投棄場が1500人の住民を脅かしている。泥に染み込んだ雨粒が汚水となって流れ出し、乾期にはごみの山が発火する。今年6月にも火災が発生した。

「不法投棄は何十年も前からあった。でも、最近の3年間は特にひどい」と、デビは言う。2015年、ダライ・ラマ14世の活動拠点として世界的に知られるダラムサラが「スマートシティー」に選定された。ダラムサラは北部ヒマチャルプラデシュ州のヒマラヤ山麓に位置する風光明媚な丘陵地帯にあり、多くの観光客が訪れる。

インド政府は22年までに100の「スマートシティー」を構築すると明言している。総額3億㌦の官民共同ファンドが設立され、ダラムサラでは7万人の住民と観光客に無停電電源、水道、インターネット、環境配慮型施設などの近代的サービスを提供する計画だ。

隣接エリアもダラムサラの自治体当局の管轄下で都市計画に組み込まれ、人口と消費需要が増加した。サッダーの住民は計画開始以来、ごみの増加で悪臭がひどくなり、町とダラムサラの中間に位置する違法ごみ投棄場のリスクも増したと抗議してきた。

廃棄物処理サービス改善のために大規模な予算が組まれたがごみの山は成長し続けている。危険な労働条件下で廃棄物の分別作業を行うのは、ダラムサラ中心部から立ち退かされた「ラグピッカー(ごみ処理人)」と呼ばれる人々だ。立ち退き跡には、近代的な娯楽施設が建設される予定だ。

ダラムサラの計画は予算規模1700万㌦。まだ入札段階だが、自治体当局は新たな廃棄物処理事業に取り組んでいる。既に廃棄物管理システムの「スマートごみ箱」70個に700万㌦(計画では最終的に200個以上)、クレーンを搭載した特別仕様のトラックに最大7万9000㌦を投資。スマートごみ箱は生分解性と非生分解性廃棄物用にそれぞれ地下貯蔵スペースがあり、そこが満杯になるとトラックにシグナルを送るセンサーを備えている。

1500人が立ち退きに

だが、「ごみ箱は空にならないし、稼働中のトラックは1台だけ」だと、ソーシャルワーカーのラマナサン・スンダララマン(29)は指摘する。「廃棄物の大半はまだ古いやり方で収集され、投棄される。分別されていないごみが多いので、リサイクルやコンポスト(堆肥)化の余地は限られる」

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