半年後の価格は......ビットコインの価格算定モデルが世界で話題に
一方でゴールドやシルバーよりその絶対量は少ないパラジウムやプラチナのSFはどうでしょう。パラジウムとプラチナのSFはそれぞれ1.1と0.4とゴールドやシルバーに比べて圧倒的に低いことがわかります。パラジウムやプラチナに限らずコモディティのSFが1を超えることは稀であるといえます。
ビットコインの現在の流通量は約18,000,000コイン、年間の新規供給量は約700,000コインであり、そのSFは25となります。このSFはビットコインをゴールドやシルバーのような貨幣的価値を持つ資産と同じ水準に位置づけることになります。
2020年5月にはビットコインの年間の新規供給量は半減します。その時点でSFは54となり、ゴールドのSFに一歩近づく形となります。さらに、その4年後の2024年に新規供給量が半減した時点でSFは115となります。ついには人類史上初めてゴールドを超える希少性の高い資産になるのです。
ビットコインの新規供給の仕組みの整理
ここで新しいビットコインがどのように生成されるかについて復習しておきましょう。
まず、ビットコインの総供給量は21,000,000ビットコインと上限が決められており、それ以上生成されることはありません。新しいビットコインは新しいブロックがビットコインのブロックチェーン上に追加される都度誕生します(ブロック報酬)。新しいブロックは平均すると10分に1回のペースで追加されます。
ブロック報酬はビットコインが誕生した2009年に50ビットコインからスタートし、210,000ブロックごと(約4年ごと)に半減(halving)します。一番最初のブロック報酬の半減は2012年11月28日に訪れ、その時点でブロック報酬は毎ブロック50ビットコインから毎ブロック25ビットコインに半減しました。
2回目の半減は2016年7月9日に訪れ、その時点でブロック報酬は25ビットコインから12.5ビットコインに半減しました。次の半減は2020年の5月に予定されており、ブロック報酬は現在の12.5ビットコインから6.25ビットコインに半減します。
このようにしてビットコインの年間新規供給量は4年毎に半減していき、総供給量の上限である21,000,000ビットコインには2140年頃に到達します。
ストック対フローと価値との関係
ビットコインのSFをx軸に、それぞれの時価総額をy軸にプロットすると面白い関係性を観察することができます。
プロットされている点の間を通るトレンド線を引くとその線の周りにキレイに点が集まっていることがわかります。トレンド線と実際の時価総額がどの程度一致しているかを示すR2は0.95ですが、これはSFと時価総額との関係が統計的に重要であることを示しています。
別の言い方をすればビットコインの時価総額の変動の95%はSFで説明できるということになります。注目すべきはこのトレンド線上にSFが62のゴールド(黄色の点)とSFが22のシルバー(灰色の点)もキレイにのってくるところです。