「気候変動が続くなら子どもは生まない」と抗議し始めた若者たち
Hundreds of Young People Pledge Not to Have Children for the Environment
9月18日、米最高裁の前で仲間とセルフィ―を撮る16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリ(左から2人目)。若者主体の環境抗議活動「未来のための金曜日」を世界に広げたのもトゥーンベリだ
<今日は世界中の若者が環境問題を訴える「未来のための金曜日」。そのなかに、子どもの安全を守れないような地球になるなら、いっそ子どもは持たないという主張が加わった>
ニューヨークの国連本部では9月23日、気候変動とその対策について話し合う国連気候行動サミットが開催される。これに合わせて、世界各地で大勢の若者がバース(出産)・ストライキを計画している。9月19日時点で1000人近い若者が、「安全な未来がなければ子どもは持たない」というこの運動に賛同している。
オンラインメディアのバイスによれば、この「#NoFutureNoChildren(未来がないなら子どもは持たない)運動」は9月16日にカナダ在住のエマ・リム(18)が立ち上げた。彼女は運動のウェブサイトに、2018年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した報告書を読んで恐怖を感じたと書いている。地球の温暖化を産業革命以前の水準から1.5度に抑えなければ、深刻な危険がもたらされると警告する内容だった。
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子どもを苦しめたくない
リムは同サイトに「温暖化の脅威を身近で目の当たりにしてきた」と書いている。100年に一度の大洪水や熱波、冬に池が凍らないためにスケートができないなどの例を挙げた。気候変動の影響は今後悪化の一途をたどると予想されており、今のままだと生態系が衰退し、淡水が不足し、大気汚染が悪化するなどと言われている。
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「子どもを守ってあげられる確証がなければ産めないから、私は家族を持つことを諦めるつもり。とてもつらいけど」と彼女は書く。「そう考えているのは私だけではないという確信があったから、ここに誓約の場を立ち上げた」
多くの人が彼女の考えに賛同し、誓いを立てた。理由はさまざまだ。
バンクーバー在住のミシェル・シーは、山火事や大気汚染の悪化によって、子どもたちが喘息など呼吸器系の問題を抱えることになると主張している。
オンタリオ在住のジェイコブ・ビルディーは、世界銀行が2018年の報告書の中で、気候変動の影響で2050年までに1億4000万人以上が移住を迫られることになるとしたことが理由だったと言う。2015年にヨーロッパが経験した移民危機以上の大移動が起こったら、影響は計り知れないと彼は言う。2015年の移民危機は、ヨーロッパ各地で極右政党の躍進を招いた。