最新記事

トラベル

最高の天体ショーを世界最高の「特等席」で楽しもう

Where to See Them

2019年5月4日(土)13時15分
ローラ・パワーズ

水星の太陽面通過(11月11日)

水星が地球と太陽の間に入り込み、太陽の表面を通過していくように見える。100年に13回しか起きない現象なので、ぜひ見ておきたい。

5時間半にわたって続くから、観測スポットを探す時間はたっぷりある。昼間に起きるので、暗い夜空は必要なし。選択肢はたくさんあり、アジアとオーストラリア以外ならどこでも条件がいい。

寒さが苦手な人には、モロッコをおすすめしたい。砂漠のトレッキングやガイド付きラクダ・ツアーに参加すれば、自然に恵まれた静かな場所で水星の移動を楽しめる。マラケシュやカサブランカに滞在して、モロッコ独特の宿泊施設「リヤド」の屋根の上から天体ショーを楽しむこともできる。

ふたご座流星群(12月13日)

1時間当たり100以上の流星が出現する。ただし、月が満月に近いので、月明かりが流星ショーの邪魔になりそう。空が暗ければ暗いほど、見える流星の数は増える。最高の観測スポットは少々寒いので、重ね着の準備を忘れずに。

travel03.jpg

写真[3]ジローナ(スペイン) Eloi_Omella/iStock.

スペインのバルセロナから車で数時間のアルバニャは、天体観測ツアーで有名な場所。南へ1時間のところには、ジローナ(写真[3])の旧市街がある。海岸沿いの道を走れば、地中海に突き出た12世紀の要塞都市を起源とするトッサデマールの旧市街に出る。

金環日食(12月26日)

皆既日食では太陽が完全に隠れるが、金環日食は明るい光の輪が残る。アジアとオーストラリアの大半で観測可能で、午前10時前後から約6時間続く。昼間に起きるので、観測スポットの選択肢は多数ある。

travel04.jpg

写真[4]シンガポール Werasaksaeku/iStock.

なかでも最高の場所の1つは、食と豪華ホテルが魅力のシンガポール(写真[4])。マリーナ・ベイ・サンズの屋上なら、巨大プールでリラックスしながら日食をたっぷりと楽しめる。

少し珍しい体験がお好みなら、インドネシア・リアウ諸島への小旅行もいい。ビンタン島はシンガポールからフェリーで50分だ。象ウオッチングに出掛けたり、ビーチに寝そべったりしながら日食も楽しめる。

オーロラ(9~3月)

太陽から放射される荷電粒子が大気中の酸素原子や窒素原子と衝突して起きる発光現象。夜が長い冬の間、毎年現れる。オーロラと言えばフィンランドのラップランドが有名だが、それ以外の場所でも見ることができる。

例えばアメリカなら、北極圏から250キロほどのアラスカ州フェアバンクス。ここを拠点に冬のデナリ州立公園まで足を延ばそう。日中はオーロラを待ちながら、犬ぞり体験や冬の列車ツアーが楽しめる。ただし、オーロラは毎晩出現するわけではないので、滞在期間は1~2週間ぐらいみておくこと。

<本誌2019年04月23日号掲載>

201904300507cover-200.jpg

※4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が尊敬する日本人100人」特集。お笑い芸人からノーベル賞学者まで、誰もが知るスターから知られざる「その道の達人」まで――。文化と言葉の壁を越えて輝く天才・異才・奇才100人を取り上げる特集を、10年ぶりに組みました。渡辺直美、梅原大吾、伊藤比呂美、川島良彰、若宮正子、イチロー、蒼井そら、石上純也、野沢雅子、藤田嗣治......。いま注目すべき100人を選んでいます。


ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

主要国・地域の25年成長率見通し上げ、AIブームで

ワールド

ロシア船籍タンカーにドローン攻撃、トルコ沖で 乗組

ビジネス

英中銀、銀行の自己資本比率要件を1%引き下げ 経済

ワールド

香港、火災調査で独立委設置へ 死者156人・30人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カ…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中