最高の天体ショーを世界最高の「特等席」で楽しもう
Where to See Them
水星の太陽面通過(11月11日)
水星が地球と太陽の間に入り込み、太陽の表面を通過していくように見える。100年に13回しか起きない現象なので、ぜひ見ておきたい。
5時間半にわたって続くから、観測スポットを探す時間はたっぷりある。昼間に起きるので、暗い夜空は必要なし。選択肢はたくさんあり、アジアとオーストラリア以外ならどこでも条件がいい。
寒さが苦手な人には、モロッコをおすすめしたい。砂漠のトレッキングやガイド付きラクダ・ツアーに参加すれば、自然に恵まれた静かな場所で水星の移動を楽しめる。マラケシュやカサブランカに滞在して、モロッコ独特の宿泊施設「リヤド」の屋根の上から天体ショーを楽しむこともできる。
ふたご座流星群(12月13日)
1時間当たり100以上の流星が出現する。ただし、月が満月に近いので、月明かりが流星ショーの邪魔になりそう。空が暗ければ暗いほど、見える流星の数は増える。最高の観測スポットは少々寒いので、重ね着の準備を忘れずに。
スペインのバルセロナから車で数時間のアルバニャは、天体観測ツアーで有名な場所。南へ1時間のところには、ジローナ(写真[3])の旧市街がある。海岸沿いの道を走れば、地中海に突き出た12世紀の要塞都市を起源とするトッサデマールの旧市街に出る。
金環日食(12月26日)
皆既日食では太陽が完全に隠れるが、金環日食は明るい光の輪が残る。アジアとオーストラリアの大半で観測可能で、午前10時前後から約6時間続く。昼間に起きるので、観測スポットの選択肢は多数ある。
なかでも最高の場所の1つは、食と豪華ホテルが魅力のシンガポール(写真[4])。マリーナ・ベイ・サンズの屋上なら、巨大プールでリラックスしながら日食をたっぷりと楽しめる。
少し珍しい体験がお好みなら、インドネシア・リアウ諸島への小旅行もいい。ビンタン島はシンガポールからフェリーで50分だ。象ウオッチングに出掛けたり、ビーチに寝そべったりしながら日食も楽しめる。
オーロラ(9~3月)
太陽から放射される荷電粒子が大気中の酸素原子や窒素原子と衝突して起きる発光現象。夜が長い冬の間、毎年現れる。オーロラと言えばフィンランドのラップランドが有名だが、それ以外の場所でも見ることができる。
例えばアメリカなら、北極圏から250キロほどのアラスカ州フェアバンクス。ここを拠点に冬のデナリ州立公園まで足を延ばそう。日中はオーロラを待ちながら、犬ぞり体験や冬の列車ツアーが楽しめる。ただし、オーロラは毎晩出現するわけではないので、滞在期間は1~2週間ぐらいみておくこと。
<本誌2019年04月23日号掲載>
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