最新記事

中国

Huaweiの頭脳ハイシリコンはクァルコムの愛弟子?

2018年12月10日(月)08時45分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

何庭波が北京郵電大学を卒業したのは1996年だが、クァルコム―北京郵電大学共同研究所が正式に設立されたのが1998年であって、クァルコムは非正式の形で早くから北京郵電大学に根を下ろしていたので、何庭波は直接クァルコムから半導体に関する指導を受けていたという可能性が高い。

そうでなかったら、なぜ、ここまでハイシリコンのレベルが高いのか、なかなか合点がいかないことが多いのが一般的な感触だろう。

ハイシリコンを絶賛する日本の半導体専門家たち

筆者だけがハイシリコンのレベルの高さを書くと、「お前は中国の回し者か」「親中だ」といった類の心ないバッシングが来るのは目に見えている。

そこで日本の高いレベルの半導体専門家が書いている論評をご紹介したい。

たとえば、2018年2月8日、田中直樹氏が、「中国とどう向き合うか。真剣に考えるべき」技術者塾「半導体チップ分析から見通す未来展望シリーズ」で講演をなさったテカナリエの清水洋治氏講演の重要性を日経ビジネスのウェブサイトで指摘している。

タイトルは「わずか6年で世界トップに、中国半導体メーカーの実力」である。その2ページ目に「'''トップレベルの半導体メーカーを持つHuawei'''」という小見出しがある。そこに以下のようなことが書いてある。

――Huawei社は傘下にHiSilicon Technology社という半導体メーカーを持っています。同社が2012年に突然「K3V2」というチップを発表したのですが、この発表の中で驚くべきことがありました。当時、150Mbps、LTE Cat.4に対応しているメーカーは世界中に1社もなく、Qualcomm社でさえCat.3、100Mbpsまでの対応だった中で、HiSilicon社はいきなり150Mbps対応のチップを発表したのです。

プロトタイプができただけだろうと思っていたら、すぐに日本で、このCat.4を搭載したWi-Fiルーターが当時のイー・モバイルから発売されたのです。中国が世界で最も速い通信用チップを一番先につくってしまったということで、とてつもない衝撃を受けました。それ以降、HiSilicon社は世界のひのき舞台のトップグループに躍り出て、現在もトップ中のトップをひた走っています。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エリオット、加ルルレモン株10億ドル超取得 CEO

ワールド

WTO意思決定改革、来年3月閣僚会議での合意困難と

ワールド

トランプ氏、国民向け演説で実績強調 支持率低迷の中

ワールド

ブラジル前大統領の刑期短縮法案、上院も可決 ルラ氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中